今まで過去に税理士試験の科目ごとの記事は書いていました。
参考までにリンクを貼っておきます。





細かい事は各記事に委ねるとして、僕が税理士試験に合格するまでに要した時間は約10年。
決して早くないです。どちらかというと手間取った年もかなりあります。
延べ受験科目数は17科目。過去の記事の通り何度も挑戦した科目があります。
結果、完全合格は5科目なので、17戦5勝ですか。
勝率にしたら約30%。
今回は17戦経験して得たことを書いていきたいと思います。
追い込むための複数科目受験
僕は最後の科目の相続税法(この1科目でかなり苦戦したのですが)意外の年は全て複数科目受験です。
最低2科目。多い年は3科目受験した年もありました。
専念の年は当然複数科目受験、働きながらでも最初の年は2科目受験しました。
複数科目にするか1科目専念するかは学習環境で考えるのが一つのセオリーのようになってますが、当時の僕はとにかく早く学習し終えたいという気持ちで先走るように勉強していた気持ちがどちらかというと強かったです。
結果的に複数科目受験しながら1科目ずつ合格を積み重ねていった形にはなりましたが、後に振り返ってみて「1科目に専念していればなー」と後悔した事は一度もありません。
むしろ複数科目受験で攻めて正解だったと思っています。
これは科目同士の相乗効果とか効率よく勉強ができたとか表面的な部分だけでなく、シンプルに自分を追い込んで勉強できた。この経験が大きかったかなと。
1科目ずつだとおそらく手持ち無沙汰になる時期ができてしまったと思います。
余裕を持つこと自体を否定するつもりはありません。
しかしながら、試験勉強に対して余裕を持つのはどうなのかと思っています。
どちらかというと余裕がなくて常に気が焦っているぐらいがいい塩梅で緊張感が途切れないし、モチベーションも落ちづらいです。というか落ちる暇もないと思います。
思い返すと僕自身モチベーションに波があった記憶が無くて、たぶんそんな気持ちに余裕がなかったから(とにかくやらざるを得ないから)気持ちが落ちる余裕すらなかったんだと思います。
とにかく毎日が必死で。
今日の午前中は簿記論の計算問題して、午後から財務諸表論の総合問題といて、夜は財務諸表論の理論暗記して、明日は法人税の講義を受けて…。
という感じで、もう毎日の勉強スケジュールはパンパンでした。
そんな日々を経験したからこそ思いますが「モチベーションが上がらないんです…」って相談が来たら「あっ、そんなにまだ切羽詰まってないんだな」と正直思ってしまいます。
そういった意味でも複数科目受験は良かったかなと。
本当に大丈夫か(現実的に勉強できて両方合格できるぐらいまで持っていけるか)は今の環境面を考えるのは大事ですが、最初から「じっくり行きたい」とか「ゆっくり自分のペースで」という理由なだけで、ゆとりのある学習計画を作るのは少しもったいないなと思ってしまいます。
現実はしっかりみて判断する
複数科目に挑戦している中でも「これはヤバい。時間が足りない」という状況になってしまうこともあります。
当然やってみないとわからない部分だらけなわけで、1年間の受験生活の中でライフスタイルが変化することも考えられます。予期せずトラブルに陥ってしまうこともあるでしょう。
その時いかに「複数受験にこだわりすぎず、冷静に判断できるか」が大事になってきます。
複数科目受験の一番のデメリット(危険性)はなんでしょうか。
全滅(受験した科目全て不合格)です。この状況だけはとにかく避けたい。
かくいう僕も全滅を経験したことがあります。本当にダメージが大きすぎます。
薄々これ以上複数科目受験するのが厳しいことに気がついていながらも、無理に続けてしまうと最悪な結果になってしまう可能性が大きくなってしまいます。
場合によっては勇気ある切り捨てる決断もしなくてはいけません。
たまたま合格は絶対無い
個人的に税理士試験はラッキーパンチは無いと思っています。
合格者のお話で「たまたま受かったんだよー」みたいなことを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、みなさん必死に勉強して仕上げて結果的に運が味方についたものがほとんどです。
なので複数科目勉強して明らかに勉強時間が足りないのに「受けさえすれば奇跡起こるかも!」というのは正直厳しいでしょう。
勉強されている方はわかると思います。
あの膨大な理論の暗記量。求められる解答の記述精度。計算の難易度。受験生のレベル。
たまたま偶然で解けて上位1割に簡単に入れるものなんてないでしょう。
やるなら全部持っていけるぐらい徹底すること。
明らかに無理ならやらない。途中で状況が変わったら慎重に判断する。
この判断は本当に難しいです。言葉だけの表面的な部分だけで表現できないので、覚悟を決めて突き進むのかどれか切り捨てるのかは本当にケースバイケースです。
プロである講師にアドバイスをもらったり、先に合格している先輩方に相談に乗ってもらって後悔のない上で覚悟を決めて判断するべきだと思います。
1年1回の試験なので、投下した時間を後悔しないように判断をしましょう。
試験を経て、結果以上に得られた自信
乗り越えた先は一生の財産が間違いなく自分の中に残り続けます。
この財産は「税理士」という肩書きだけではありません。
「あの試験を乗り越えた」という自信は相当なものです。
大変なことが起こっても当時の受験生活を思い出せば「あの頃に比べれば大したことないな」と思えるぐらいです。


お見苦しい写真ですが僕が使ってきた教材です。これで大体半分ぐらいです。まだ同じぐらいの量が別にありました。
処分前に撮っておいたものですが、懐かしい。日商簿記1級もありますね。これもなかなか苦労させられました。
合格した科目総じて「これだけやったんだから、もうやることは一つも無い」というぐらい仕上げました。
自分の中のどこかにまだ心残りがあるのであれば、まだまだ勉強する余地が残っているということかもしれません。
大事な時間を使って勉強しているのであれば、結果にはとことんこだわりましょう。
その時間がどれぐらいかかるか。やってみないとわかりません。
僕は17回戦って12回負けはしましたけれど、5勝するまで最後まで諦めなかっただけです。
手間取った部分もあったと考える時期もありましたが、今となってはその経験が活きているので、僕には必要な時間だったんだと今ではそう思っています。
それでは、また次回。