こんにちは。税理士のmashです。
会計2科目編が終了して、今回から税法ステージへ入ります。
前回までのリンクも貼っておきます。
税理士試験の科目選択にあたって、税法の必須科目で法人税法か所得税法のいずれか合格する必要があります。
私は自分のなりたい税理士像をイメージして今後税理士業をするにあたって、
「法人の顧問先を持つ上では法人税法の知識は必須だし、しっかり勉強しておけば強みになる」
と考え、法人税法を選択しました。
受験されたことがある方はご存知の通り、学習量がかなり多い科目です。
しかも私の初めての税法受験ということもあって、かなり苦戦を強いられました(法人税法に限らずですが…)
私は法人税法に計3回の受験をし、合格までの勉強時間は3,535時間を要しました。
会計科目までの勉強時間に比べて急に桁違いになりましたが、私の受験科目の中で圧倒的に時間を要したのがこの法人税法でした。
講師業をしながらの受験勉強

当時は簿記検定の講師等をしながら受験勉強をしていました。
フルタイムというわけではなかったので、比較的勉強時間も確保しやすい学習環境でした。
20歳から講師をさせてもらって専門学校や大学で学生向けと社会人向け講座も受け持っていたので、講師業でも非常に充実した日々を過ごしました。
説明するスキルはこの講師業を経て税理士業をしている今でもとても役に立っています。
講座が無い日はとにかく勉強していました。
当時の勉強場所は専門校と地元の図書館がメインだったように思います。時々気分転換にカフェに行くぐらいでした。
それこそ図書館で勉強する時は開館から閉館までずっといました。決まった学習スペースがあったので入ったらまずその場所を確保することが自分にとって大切なルーティンにもなっていました。
たまに先に越されてその定位置が使えなかった日は気持ちばかりか、集中力がいつもの7割程度だったように思います。それぐらい場所の確保は私にとって大事な事でした。
あとは理論集が何よりもの必需品になっていました。
どこでも少し時間があれば理論集を開いて勉強する癖がついていました。
ちょっと息抜きに遊びに行く時でもバッグの中には常に理論集が入っていて、隙あらばすぐに理論暗記できるようにしていました。
初の税法1年目は学習ボリュームに圧倒され、惨敗

法人税法の1年目は簿記論と合わせて複数科目受験をしていました。
簿記論は一通り学習済みだったこともあり、勉強時間のほとんどを法人税法に費やしました。
仕事が無い日の勉強時間は12時間以上はやってました。
しかし法人税法の学習量と難易度は想像以上でした…。
講義に追いつくのがやっとで復習してもボリュームが多すぎて直前期前までなると段々と全てカバーできなくなってきました。
それに合わせて理論暗記。財務諸表論で理論暗記を経験しましたが格が違いました。
講義の最初に理論マスターが配られた時は「これ全部覚えるなんて、冗談だよね…」と内心思っていました。
講義が本格的に始まってそれは全然冗談じゃないことはすぐにわかりました。
答練の都度挙がってくる予告理論の暗記に苦しむ毎日…。今回はできたと思って順位を見ると上位陣の圧倒的な点数を叩きつけられる毎日…。
そんな毎日で当時は「上位10%に入れる気がしない…」と弱気になっていました。
とにかく初の税法1年目は法人税法の難しさと税法科目の厳しさに圧倒された年になってしまいました。
一緒に受験した簿記論もこの年は不合格で、気持ち的に一番落ち込んでしまいました。
結果を受けた年内は気持ちが折れかかって「いっそのこと試験を諦めたらこの苦しみから解放されるかな…」って本気で税理士試験を諦める寸前までいってしまいました。
本気で勉強して何も結果が出なかった時のあの空虚感。
今では「あの頃があって乗り越えられたからこそ、今の自分がある」と心からそう思います。
2年目は一気に理解が進んで法人税法が楽しくなった。
1年目に惨敗を喫して落ち込むところまで落ち込んだ私でしたが、周りの支えもあってもう一度奮い立たせて、年明けから再チャレンジする決意をしました。
元々負けず嫌いで諦めが悪くてしつこい性格(短所っぽく聞こえますが私は長所として認識しています)ということもあって、一度志した夢を諦めることはまだできませんでした。
この法人税法2年目が税理士受験生として一番勉強時間を要した年になったと記憶しています。
1年目はどちらかというと、とにかくついて行くのが必死でしたが、2年目はその土台からさらに磨きをかけて精度を高めていきました。
合わせて受けていた簿記論も今年こそ絶対に落とすわけにはいかなかったので、どちらも全力でこなしていきました。
1年目に一通り学習していたこともあり、法人税法の2年目は勉強すればするほど答練の出来が良くなるなど、目に見えた結果につながって勉強をすることが楽しくなってきました。
理論暗記に関しても「2年目で絶対合格するためには、暗記漏れがあってはいけない!」気持ちが強かったため、どの部分が出題されても大丈夫なように理論マスターを全て暗記して本試験に挑みました。
2回目の挑戦!結果はいかに…

万全を期して迎えた2回目の法人税法の試験の日。
試験開始の合図と同時に問題用紙をめくると理論問題から始まるのですが、そこで目に飛び込んできたのが自分の得意な理論問題でした。
見た瞬間「これは勝った!」と内心ガッツポーズでした。
当時を振り返ると得意理論がズバリ出題されたこともあり、舞い上がって試験開始から冷静さを欠いてしまっていました。
そんな始まりで、ここから2時間(120分)の戦いが始まりました。
得意な理論故に書きすぎて時間が押してしまった
私の当時の解き方としては理論→計算の順番で解いていました。
専門校の指導で多少は違いがあるかもしれませんが、基本的な試験時間の使い方として
《理論50分+計算70分=120分》
という所要時間の目安がありました。
合格答案を作るためには理論と計算をバランス良く解答する必要があります。
理論を50分超えてしまうとその分計算で合格点を取るために必要な時間が押してしまうようなイメージです。
もちろん私も答練などの練習の時はこの時間枠をしっかり守って、バランス良く解答することを心がけていました。
しかし、本試験でそのような状況になってしまい、得意な論点故に細かい規定にも触れてしまって理論を細かいところまで記述してしまいました。
こうなってしまったら切上げ時がわからなくなってしまいます。
気づいた時には試験開始から約60分が経過しようとしていました。目安時間の約10分オーバーです。
その経過時間を見て一気に焦りました。
「流石にこれ以上押してしまうと計算が終わらない」と判断して、すぐに計算に移りました。
時間に追われている焦りからケアレスミスを連発
そこから計算問題を始めましたが、終始冷静さを欠いていました。
遅れを取り戻そうと急いで焦ってケアレスミスを連発。
挙句の果てには、計算問題の最後に簡単な問題が解ききれずにタイムアップになりました。
試験終了の合図があって終わった時は、最初の喜びとは打って変わって呆然としてしまいました。
練習の時には当たり前のようにできていた時間配分が、まさか本試験でできないとは思ってもいませんでした。
本試験の独特な雰囲気の焦りと緊張で、当たり前のことを徹底する難しさを思い知らされました。
2回目の挑戦も不合格…
そういう状況で終わった法人税法の試験。計算は全然でしたが、理論は細かいところまで記述していたこともあり、「もしかすると?」と淡い期待を持っていました(そんな甘い期待をしていた過去の自分をしばきにいきたい…!)
そして迎えた本試験の結果発表の日。淡い期待を当然のように打ち砕き“不合格”
唯一の救いは、この年に同時に受験した簿記論は合格していました。
しかし2年目の法人税法の学習ペースは良かったと思っています。
理論も全範囲暗記し、計算もしっかりカバーできていたので学習方法は決して間違っていたものではありませんでした。
最後の本試験の戦略不足が全ての結果となってしまいました。
受験勉強をしていると勉強の内容や学習方法に目が向きがちです。
しかし試験は、本試験の1発勝負で合格点をとらないと合格できません。
合格するための勉強はもちろん大切ですが、それは合格するための最低条件です。
合格を勝ち取るためにどうやって上位10%に入るのか、日頃から戦略を練ることで、その積み重ねが本試験であらわれます。
2年目の私はその部分の対策が疎かになっていました。
この1記事で完結させるつもりが、まだ長くなりそうなので前編としてここまでにさせてください。
次は3度目の正直。3年目の法人税法への挑戦です!
お楽しみに。
それでは、また次回。
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