予備校に通っていると、答案練習(答練)の採点がされて点数ごとの順位が発表されます。
私自身、予備校(TAC)にお世話になりました(後半は通信学習)が、当時よく言われていたことが、
「この順位の目安として上位30%を目指してください」でした。
最初の方は「上位30%に入っていないと合格できないんだ」と毎回順位を見ては一喜一憂していた記憶があります。
「合格点」が無い故の目安にしかすぎない
税理士試験は相対試験で、科目によりますが上位10%前後の合格率に入らなければならない競争試験です。
したがって決まった合格点というものはありません。
そうなると普段の答練で受験生の実力値の目安が測れないため、専門校では一定のラインを引いているわけです。
それが上位30%というラインです。
当然ながら上位30%に入っていなければ合格できないというものでもありませんし、入っていれば合格できる安心材料になるわけでもありません。
あくまで予備校の期待値のラインで、それを基準に各答練での自分の実力値を測る指標に使うものです。
今となっては冷静にそう思っていますが、当時のしかも税理士試験に挑戦し始めた頃は、この上位30%にかなりこだわっている自分がいました。
超えていれば安心たり、下回っていれば落ち込んだり。
まさに一喜一憂ってやつでした。
最初の方は全体のレベルを知る目安にはなっていた
最初の方は順位をかなり意識してしまって気分の浮き沈みを経験した時期がありましたが、順位があってこそ良かった部分もありました。
それは受験生全体のレベルを知ることができたということです。
この順位は同じ科目を勉強していて、全く同じ問題を解いた周りの受験生と見比べられます。
受験勉強を始めた最初の頃は右も左もわからず、がむしゃらに勉強をしていましたので周りのレベルが見えませんでした。
自分がよくできたと思っていたけれど、思ったより順位が良くなかった。
反対にイマイチの出来と感じたけれど、思っているより順位が良かった。
そういう結果を受けて、自分の答案を見直して得点すべきところや後回しにすべきところ、解き方を改善するなど試行錯誤していました。
そういった意味ではこの順位は有意義に使えていたかなと思います。
特に通信学習では周りに受験生がいない環境で勉強することになります。
そうなると今の自分の実力が全体レベルのどの位置にいるかが把握しづらいです。
その環境でのデメリットを解消する面としては、順位を把握することは重要かなと思います。
最後の2科目は順位は一切気にしなかった
私自身、最初の3科目は普段の答練の順位には結構こだわっていました。
科目でいうと簿記論、財務諸表論、法人税法です。
毎回答練が終わっては採点後に返却された答案を見て、自分の順位はどの位置にいるのかをすぐに確認していた記憶があります。
3科目目の法人税法は順位はこだわっていたけれど、思い返せば最初の会計科目とは違って一喜一憂はしていなかったです。
最初の簿記論や財務諸表論で順位表をしっかり確認するのが習慣づいていたので、その名残で「順位はしっかり確認しておかないと」と思っていた部分がありました。
一方で最後の2科目はというと、ほとんど順位は見なかったですね。
唯一見ていたのが、全国模試の順位ぐらいです。
それ以外の普段の答練で出る順位は見ていませんでした。
答練解いて、弱点克服を徹底して、得点力向上を自分の中で模索していました。
順位を見ていると自分の位置がわかるので、重要なこととは理解しています。
ただ上位30%に入っていないからといって合格できないわけではありません。
頭ではわかっているんです。
しかし、どうしても見てしまうと感情の浮き沈みが多少なりと出てきてしまいます。
それが私は最後の方では嫌になってしまった部分が正直ありました。
順位がモチベーションに繋がるという人もいると思います。
そういう人は順位を見て、自分を鼓舞して高いモチベーションで勉強に取り組むのが良いかと思います。
私は自分の中で徹底すべきこと、やるべきことを模索して目の前のことを着実に積み重ねることがモチベーションの維持に繋がっていました。
それに気がついてからは、外にモチベーションを求めるのではなく、内から出るモチベーションを意識することになったので、そのような順位を見ることを控えたというのもあります。
結局自分が一番の敵
順位を見ていた時期は周りの受験生と比べて自分の出来に優劣をつけていました。
時には感情が入って一喜一憂してしまったりと。
確かに本試験では周りの受験生に勝たないと合格できないので、周りの受験生に目を向けるということは大事だと思います。
最初の方はそれでも良かったと思っています。
ですが、最終的に思ったことは「やはり一番の敵は自分だな」と。
勉強は、喜んで舞い上がったり落ち込んで気分を下げたりせずに「冷静に向き合った方が良いな」と。
あくまで私が感じた自分自身に対してです。
自分のことは自分が一番よく分かっているはずです。
毎回の答練で現れた弱点や改善点を分析して克服して、次の答練に活かす。
試行錯誤して常に本試験を想定して答練を解く。
周りと比べずとも、これらを徹底することで自然と合格に近づいていくものだと思っています。
私の受験生活の後半は周りと比べなくなった分、自分の答案をより見つめ直して徹底的に分析するようになりました。
これが正しいかどうかはわかりませんでしたが、合格したので自分にとって間違いではなかったのかなと思っています。
それでは、また次回。
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