試験を合格するためには当然勉強が必要です。
それでは試験を合格したら勉強をしなくてよくなるかと言われれば、残念ながらそうではありません。
専門的知識を駆使して顧客のニーズに応えていく仕事なので、本当に「一生勉強」の言葉に尽きると痛感しています。
税理士業に限らず他の専門業も同じことだと思いますが、勉強の日々です。
私は仕事をする上での勉強する意味を聞かれたら、いつも知識を商品と例にして考えを話しています。
今回はその考えについて、お伝えできればと思います。
知識のインプット=商品の仕入れ
私の感覚としては、勉強して知識をインプットすること=商品を仕入れることと思っています。
お店の商品棚にたくさん商品が揃ってあるお店とスカスカのお店、どちらで買い物したいですか?
明らかに前者ですよね。お店は売るための商品がないと商売になりません。
私たちの立場からすると知識は商品と同じなので、無いと必然的に商売になりません(もちろん知識をそのまま売るというわけではないですが)
日頃からたくさんの知識をインプットして頭の商品棚に知識を揃えておく必要があります。
よく聞かれる質問① 税理士は勉強好きな人が多い?
私自身で言うと勉強は好きです。カッコ良く言うと知的好奇心が旺盛と言いましょうか(笑)
周りも勉強好きが多い印象です。
税務のことだけに限らず、読書好き人も多いですし。
私も本屋で気になる本が目に入ったら、読んでる途中の本があってもすぐ買ってしまいます。そのため、複数の本を並行して読むのが日常茶飯事です。
あと仕事以外でも「なぜ?」という疑問が出て気になったらそのまま無視できない性分でして、すぐ調べたがります。ただこのご時世、情報過多なので情報は鵜呑みにしないように気をつけています。調べた上で自分の頭で考える。当たり前の事ですけれども、それを忘れてしまうぐらい手軽に情報が手に入るので意識しておかないといけません。
話が逸れてしまいましたが、勉強する習慣が身についていると言うのもあります。習慣になっていることって、やらないとむしろ気持ちが悪い感覚になりますよね。
受験時代から勉強するのが当たり前の生活を日々送っていたので、そうなるのは自然なことのような気がします。
一生勉強の職業なので、せっかくやるなら嫌々やるより楽しくやりたいですね。
知識のアップデート=新鮮な商品を揃えること
仕入れた商品が生鮮食品だったら、時間が経つと痛んで売り物にならなくなりますよね。
知識だってそうです。税理士が主に扱う税法は毎年税制改正が行われます。
今頭にある知識も放っておくと古くなって使えなくなります。
そうならないように、頭にある知識をアップデートすることで知識(商品)の鮮度を保たなくてはいけません。
いつでも新鮮な知識(商品)を提供できる状態にしておくために、日々勉強することが必要です。
よく聞かれる質問② 毎年覚え直すの大変じゃない?
これも良く聞かれます。前述した通り税法は毎年改正されます。
税制改正にも、法律が新設されるものと現行の法律の規定が一部変更されるものとがあります。
新設されたものについては、一から仕組みを理解して内容を把握するなどしっかり勉強する必要があります。現行の規定の変更に関しては今ある知識の一部を更新するだけなので、そんなに労力はかかりません。
税理士試験の勉強やこれまでの実務経験から知識の土台(基本的な税法の考え方)が身についているのもあって、周りに思われているよりそこまで苦ではありません(やらざるを得ないからそう感じているだけかもしれませんが…)
その改正も毎年のことなので、それが税理士業にとって1つのイベントのようなものでもあります。
1年勉強せずに飛ばすとその次の年はついていくのが大変なので、それも「一生勉強」と感じる要因です。
知識のブラッシュアップ=店内サービスの質を向上させること
知識のアップデートまでは、仕事をする上で当たり前の範疇になります。
より顧客の満足度を高めるためには、そこからさらに磨きをかけてより良くしていく必要があります。
お店の商品の品揃えも良くて店内のサービスの質も良ければ言うこと無しですよね。
知識に磨きをかけることで、税務サービスの質もより良くしていく必要があります。
税法は膨大な規定の数と取り扱いがあります。その中の細かい規定も知っておかないと適用漏れや誤った取り扱いをしてしまう可能性があります。
そうならないように、日頃から知識の深掘りをして今の知識をより磨きをかけておく必要があります。
専門的な仕事が故に、こちらがどれだけ持っている知識を駆使した結果税額を算出しても、その時点では顧客にはそのプロセスが伝わらないこともよくあります。
しかしながら、依頼いただいた顧客を税務面で最大限サポートするのが税理士の役割ですし、それが何よりのやりがいに繋がります。
税理士はサービス業
税理士業は税務の専門的知識を用いてサービスを提供することで、顧客のニーズに応えていくサービス業です。
今回は知識に着目して記事を書いていますが、人と関わる仕事なので決して知識だけあれば良いと言うわけではありません。立ち居振る舞いや言葉使いも良いサービスを提供することに繋がります。当然にプロとして意識しておく必要があります。
その辺りも含めて、日々勉強です。
それでは、また次回。
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