この税理士試験に合格するまで、幾度も不合格という現実を突きつけられてきました。
どの年も真剣に取り組んだ結果だったので、落ち込まずにはいられませんでした。
受験していた当時は「不合格=進歩なし」と考えていました。
結果が全てと思っていただけにそうなってしまいます。
「試験を受ける以上は絶対合格する!」
その気持ちが日々の勉強のモチベーションになっているので結果だけを重視することは何も悪くないと思うし、むしろ受験生の時はそれぐらい強い気持ちでないといけないと思っています。
「いつか合格できればいいや」の気持ちではこの長期にわたる試験はなかなか突破できないです。
乗り越えられないまま受験だけをズルズルし続けてしまう。ということにもなり得ます。
この税理士試験で一番危険だと思うのが、何となくズルズルと受験を続けてしまうことだと思っています。
真剣に取り組んでいれば諦めない限り必ず合格できる試験ですが、何となくで受け続けていつか合格できるような試験ではありません。
諦めない限り合格できるというのは「真剣に取り組む」という前提があってこそです。
再挑戦したからこそ、より知識が深くなった
必死に勉強して受験した科目が不合格だった場合、来年も再挑戦することになります。
必然的にもう一度勉強することになります。
不合格の結果を見た瞬間に辛いという感情と同時にやってくるのが
「またあの勉強を1年するのか…」
一通り経験してわかっているだけに、またとなると気が重くなります。
再度奮い立たせて「次こそは絶対合格する!」という気持ちがあれば2年目はさらに勉強の幅が広がります。
1年目で手が回らなかった論点や知識をより深めようとするので、さらに磨きがかかってきます。
私自身も2年目の勉強が1番印象に残っている気がします。
特に法人税法や相続税法はボリュームが多い科目で、1年目ではなかなか理解が追いつかないまま試験に挑んだ所が多くありました。
2年目でじっくりその辺りの論点に取り組む時間が充てられるので、より理解が深まって得点にも反映されていきました。
どの科目も捨て論点がある状態で試験に挑んだことはありません。
理論も全部覚えて試験に臨んだし、計算も解く問題が無くなるまで解きこみました。
私が受験生だった時に講師をされていた現役の税理士とお話しする機会があって
「私は理論集を全て覚えていきました。試験ではある程度出題予想があるかもしれませんが、この試験が終わって税理士として仕事をしていると何の問題が出るかわかりません。今せっかく勉強するチャンスがあるのに、それを捨てる覚悟はありますか?」
このアドバイスで勉強に対する意識がガラッと変わったことを覚えています。
これがきっかけになって税法3科目の理論は全て捨てることなく覚えていきました。
結果的に試験ではどうだったかというと、それが功を奏しました。
合格した年の消費税法と相続税法の理論は出題予想でいうと低い位置の問題が出題されました。
出題予想にとらわれず全て暗記していた私にとっては、何も焦りを感じること無く解答できて良い結果を掴み取ることができました。
疲れた時でも「あの時に比べれば…」
不合格でも諦めずに少しずつ積み重ねてようやく5科目をそろえて税理士になっている今。
税理士試験に費やした時間も10,000時間を超えています。
決して楽な道ではありませんでした。
税理士試験を合格してからでも大変なことには何度も直面します。
その時に一番に思うことは「あの受験の時に比べればマシ」「あの不合格を突きつけられた瞬間に比べれば大したことない」
ということです。
今のところ大抵のことは、これで前向きに頑張れます。
本気で取り組んで何度も転んで立ち上がってを経験したからこそ感じられることだと思います。
挑戦している最中は不合格をプラスに捉えるのは難しいです。思えないのが自然です。
でも諦めずに真剣に取り組み続ければ、良かったと思えるような日が必ずやって来ます。
そう思えるためにも合格を目指すしかありません。
それでは、また次回。
コメント