【合格体験記⑤】税理士試験・相続税法 (理論編)

こんにちは。税理士のmashです。

前回の相続税法の合格体験記の続き(?)ということで、私が相続税法を経験して感じたことを理論編と計算編に分けてお伝えしようかと思います。

前回のリンクも貼っておきますので、ぜひご覧ください。

【合格体験記⑤】税理士試験・相続税法

まず今回は理論編です。

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目次

理論は全部押さえておくべき

当然ですが理論は書けないと合格できません。

それに本試験は何が出るかわかりません。

私が相続税法を初めて受験した年で出題された理論が、各専門校の出題予想で低いランクの位置付けの規定が問われました。

それを経験したこともあり、同じ繰り返しがないように理論集の全範囲をカバーできるように意識して理論学習を進めました。

合格可能性を高めたいのであれば、どの理論が出題されても対応できるように対策しておく必要があります。

といっても全範囲を100%の精度で暗記するのは至難の業。

強弱をつけて暗記する意識をしました。

私は3段階(100%、70%、50%)を決めて暗記精度を調整しながら暗記範囲を広げていきました。

100%は紛れもなく完全暗記。重要性が高い規定やその年の出題傾向を踏まえた上で、その規定は精度高く押さえるように意識をします。

規定はもちろんのこと、規定に出てくる用語(例:この規定の適用を受ける受贈者の要件 など)の意義もカバーしていました。

70%は規定全体的に暗記をしますが、用語の意義など細かいところは精度を落として(それでも問われたらある程度は書ける状態)いました。

確かにそこまでするのだったら完全暗記しても良いのですが、理論はとにかく繰り返す(回す)ことが大切です。

少し精度を緩めるだけでも回転数がグッと上がります。

ただ注意をするところは、最初から70%の意識で取り組まないということです。

初めて講義で学習して暗記をするときはしっかり覚えます(100%のつもりで)

試験の直前に近づくにつれて回転数を上げていく時期が来るので、その辺りで段階に応じて暗記を進めていくといった感じです。

初めから70%のつもりで覚えてしまうと理解に穴ができてしまいます。この3段階はあくまで「理論の暗記精度」です。

理解しておかなければ、理論問題の応用事例形式などで出題切り口によっては解答が思いつかないことがあります。

理解はした上で、本試験まででどこまで覚えるか」ということを忘れてはいけません。

50%は一部規定を省略しながらも、問われたらある程度書ける状態に暗記をしていました。

省略というのもむやみやたらするのではなく規定文中のカッコ書きや注意書きの部分など、重要性を考慮します。

「一定の」という単語を私はこの精度で暗記をする理論にはよく使っていました。

合格した時の相続税法の試験では理論問題の第2問は、私が50%の精度で覚えた理論が出題されました。

専門校の出題予想理論にも入ってこないぐらいの規定でしたので、その精度で記述して問題無く、むしろ50%でも一通りかけたことが大きなアドバンテージになりました。

このように理論は50%でも書けるか書けないかで合否が大きく左右されます。

ちなみにその年の理論問題の第1問は100%で覚えていたところでした。

各専門校も出題可能性が高いとされていたところがズバリ出たという感じです。

しかも用語の意義も問われるという問題で、その辺りも細かく覚えていた私にとっては絶好の問題でした。

最後の相続税法の試験で、段階をつけて覚える勉強とこの試験の理論問題がマッチしたこともあり、自己採点した限りでは理論問題は合格確実点でした。

どんな問題が出ても対応できるように間口を広げていくということは合格可能性を高めるためには効果的だと感じました。

慌てず冷静に問題を読み解く→一気に解答を記述する

理論問題に充てられる時間はおおよそ50分程度です。

その年の問題内容と計算問題とのボリュームの兼ね合いで多少の前後はあると思いますが、大きくずれ込むと他の問題に影響を及ぼしてしまいます。

なので、私は基本的にどんな問題であっても50分は越えないように意識しました。

理論問題のボリュームが多い時は余裕もなくなってきます。

そこで大切になってくるのが、冷静さとスピードです。

理論問題の解き方としては

  1. 問題を読み解く
  2. 解答を記述する

の順で進めていきます。

ここでよくやってしまいがちなのが、問題をサッと読んで頭で考えながら解答をするということです。

「この解答であってるかな?この規定も必要かな?」

「(解答書きながら)問題の問いはなんだったかな?もう1回読んでみよう」

これでは問題の読み取りが不正確で的確な解答ができず、迷いながら書くことで記述精度が落ちてしまいます。

私が意識したのは問題を読み取るのと解答の記述を切り離すということです。

まず問題をじっくり読む。ここで大切になってくるのが冷静さです。

問題で問われている内容を慌てず確実にしっかり把握する時間に使います。

これ簡単そうに見えてかなり難しいです。

本試験の焦りと緊張がある中で的確に問題を読み取ってどのように解答するか、どの規定を記述するかを判断しなければいけません。

それができたら解答を記述する。ここで大切になってくるのがスピードです。

問題を読み取って決めた解答をひたすら書きます。

私はこの段階まで来ると問題は見直しません。

自分が決めた解答を信じて時間が許す限りひたすら書きます。

個別問題と応用事例問題によっても時間の使い方や解答方法など、立ち回り方が変わってきます。

個別理論

個別問題は問題を見たら解答要求事項が大体すぐにわかります。

問題文も比較的短めです。

あとはどこまで記述する必要があるか。

規定の概要(内容)だけなのか、手続き規定まで必要なのか。

問題文が短いだけにすぐに飛びついて記述してしまいたい気持ちを抑えて、落ち着いて解答をまず確立させる必要があります。

それが自分の中で定まったら、あとは何も考えずひたすら書きます。

応用事例理論

応用理論や事例理論は問題文が長く複雑になる傾向があります。

必然的に問題を読み解く時間が個別問題より長くなってしまいます。

限られた時間で解答を記述する時間も必要となると、1秒でも早く読み取って解答に移りたい気持ちが強くなり、焦って来ます。

私はこの時間で冷静にできるか、慌ててしまうかが結果を分ける大きなポイントになると思っています。

なぜなら周りの受験生のほとんどが同じ状況だからです。

慌てて急ぐがあまり問題の読み取りが雑になってしまって、ピントがずれた解答をしてしまうと点が伸びません。

その中で自分は冷静になって必要な解答をしっかり見定めて答案用紙に反映できたら、それだけで周りの受験生に差をつけられます。

時間をかけて読み取って解答が定まったら、あとは個別理論と同じ。ひたすら記述するだけです。

私は複数の規定を書く問題の場合は、解答漏れがあってはダメなので問題の横に必要な規定を箇条書きでメモしていました。

1つずつ記述ができれば箇条書きの該当部分をチェックする。頭の中だけでは忘れてしまうことが普段の勉強の時から経験していたので、対策としてそのように工夫していました。

普段からどれだけ本試験を意識できるか

普段の理論暗記の時間でも、どれだけ本試験を想定した勉強をしているかが本試験の2時間に表れるものだと思っています。

理論暗記も目の前の規定をただ覚えるだけでなくて、

「こんな問題が出たらこの規定を書かないといけないよね」

「もしこの規定を出題するとしたら、どんな問題になるだろうか」

みたいにイメージトレーニングするのも一つの勉強です。

確かに合格するためには理論を覚えておかなければいけませんので、暗記は大切です。

が、せっかく覚えた理論も解答用紙に書けなければ合格できません。

合格するためには覚えた理論を制限時間内で解答用紙に最大限に反映する必要があります。

普段の理論学習もその辺りを意識して取り組むことで合格にグッと近づくことができるはずです。

今回は理論編でした。計算編は別に分けて記事にさせていただきます。

それでは、また次回。

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