税理士試験のほとんどの科目は理論問題と計算問題があります。
内容で紐づくことはあったとしても、それぞれの勉強が必要なので理論の勉強と計算の勉強をそれぞれ学習時間が必要です。
私も受験生の最初の頃は理論と計算をどのぐらいのバランスで時間を充てて学習すれば良いかわかりませんでした。
無計画に進めてしまい、ついつい理論ばっかりしてしまって計算が全く手を付けられなかったり。
「これではいけない」と思って次は計算を夢中になってしていると、理論暗記が疎かになったり。
良いように言うとメリハリがついていたように思いますが、それでは不十分だったなと。
限られた時間で理論と計算を如何にバランスよく勉強できるか。
十人十色の課題だと思いますが、私なりに考えていたことを参考までにまとめていきたいと思います。
自分の生活スタイルから、勉強時間がどのくらい確保できるか
理論と計算の勉強比率はこれが正解というものはありません。
そもそものトータルの勉強時間でも変わってきますし、自身の得意不得意で必要な時間も変わってきます。
まずは自分の置かれている環境から、勉強時間はどれだけ確保できるのかを知らなければなりません。
勉強時間は自分自身で積極的に作らないと。
「空いた時間に勉強しよう」では、自分の勉強スタイルを確立するのは難しいと思います。
受験専念の受験生と仕事をしながらの受験生とでも全く変わってきますが、確かに言えることは時間が多ければ絶対に合格できるというものでもありません(そりゃ多いに越したことはありませんが…)
仕事しながら少ない時間の中で、合格している人もたくさんいます。
おそらく「時間が足りない…」と感じている受験生の方が圧倒的に多いのではないのでしょうか(私もその一人だったので)
大切なことは勉強時間をいかに有効活用できるか。
その第一歩として自分は勉強時間がどれぐらい確保できるのか、まず把握しなければなりません。
「平日なら○時間、休日なら△時間。1週間で□時間確保できるな」
「平日は○時間しか確保できないから、理論中心に勉強しよう」
「休日は△時間あるから理論は○時間、それ以外は計算の時間に充てよう」
「1週間の勉強時間は□時間。先週は仕事が忙しくていつもより勉強時間が確保できなかったな…。来週は遅れを取り戻すために休日の勉強時間を少し多めに確保できるように予定を前倒そうか」
というように、ただ「時間が足りない…」と嘆くのではなく、その足りない時間は具体的にどれぐらいなのか。
その時間をどのように確保するか。確保できる時間で何ができるか。
私自身常日頃考えながら勉強に取り組んでいたことではありますが、そうなると勉強時間前に「今日は何の勉強しようかな?」と考えることはありません。
何の勉強をするかは既に決めてあるので、時間になればすぐさま計画した勉強に取り掛かります。
急遽課題が出れば取り急ぎ復習の時間を確保したりと、たまにイレギュラーなこともありますが。
自分が確保できる勉強時間を把握した上で理論の勉強時間、計算の勉強時間のバランスを考えていくのが良いかなと考えています。
理論は毎日必ずする
日によって勉強時間は変わってきますが、私は一つだけルールを作っていました。
それが「理論は必ず毎日する」です。
どんなにまとまった勉強時間を確保することができない日でも、1日のどこかでは必ず理論暗記の勉強時間は確保します。
全く勉強時間が確保できない日なんてそうそうないと考えています。
少なくとも私は『スキマ時間』を積極的に勉強時間にしていたので、そう感じています。
「どんなに忙しくともどこかにその時間はあるはず」と意識すると、意外とスキマ時間は見つかるものです。
細切れの時間であっても、理論暗記はできます。
場所もどこでもできます。
『出先で5分時間が空いた』としたら、どうしますか?
5分もあれば理論1題回せそうな気がします。
ある理論の苦手な一部分の再暗記することもできそうです。
気持ちのどこかに「勉強するためにはまとまった時間が必要」という意識はないでしょうか。
その意識を持ったままにしてしまうと、仮にスキマ時間ができたとしても「勉強しよう」とはならず、結局スマホをいじる時間になってしまいます。
まず「勉強はいつでもどこでもできる」と勉強に対する意識改革をしました。
教材をいつでもどこでも見られるようにもしていました。
仮にその忙しかった1日の勉強時間がスキマ時間のみの数分になったとしても、全く勉強しなかった日と比べて気持ちの面で全く違ってきます。
勉強が全くできなかった日の1日の終わり、寝る前とかストレスをすごく感じませんか?
そういった気持ちにならないためにも、理論暗記は必ずするように心がけていました。
計算は計画的に
理論に比べ、計算は『絶対に毎日する』というルールは作っていませんでした。
もちろん、できるに越したことはないです。
しかし平日の仕事の繁忙期は、まとまった勉強時間を確保するのも難しい時がありますので理論だけの日ということもありました。
比較的、計算は理論よりまとまった時間を確保して集中して学習するようにしていました。
どうしても問題を解く時間、見直しをする時間となるとある程度のまとまった時間が必要なので。
計算に関しては計画的に学習を進めないと、なかなかスムーズに学習を進めることが難しいと思っていました。
個別問題対策や総合問題対策、復習や見直し、やるべきことが多いしそれぞれかかる時間も変わってきます。
以下に私が学習計画で考えていたことを文字にしてみました。
平日。出勤前の早朝と仕事中の昼休み、仕事終わりの時間でどれぐらい確保できるかな。
今週は仕事で外回りが多いからスキマ時間できそうだな。
理論集は常に持っていって理論の時間はその辺りで確保しよう。
講義で学習した論点を忘れないうちに今週中に復習しておきたいから、まずは個別問題を中心にしよう。
その時間は早朝の時間と仕事終わりの時間に充てようか。
これで今週の目標はできそうだな。
休日はまとまった時間が確保できそうだから、総合問題を解こう。
終わったらそのまま自己採点、見直しをしよう。
問題によっては解いた時間と同じぐらい見直しの時間が必要かもしれないから○時間はみておかないと。
休日の学習時間でここまで一通りできるかな。
最悪できなければ来週の学習計画に盛り込むか…いやいや、絶対にやり切る!
こんな感じです。頭に出てきたことをそのまま書き連ねているので、読みづらい部分もあったかもしれません。
理論が日課のため、必然的に計算は理論の学習の上乗せになります。
その分1日の勉強時間もそれなりに確保しなければなりません。
その日暮らし的な計画ではなく、1週間単位で計画をザッと立てて、あとは進めながら調整していました。
計算は計画的に。
特に仕事しながらの場合は勉強時間が少ないので、効率良く進めるためにも重要だと思います。
最後は自分で最適なバランスを掴むしかない
私も最初から自分の学習スタイルが定まっていたかというと全くのブレブレでした。
冒頭で述べたように理論ばっかりしてしまったり、理論そっちのけで計算ばっかりしてしまったり。
これではいけないと思って、先輩方に相談したこともありました。
が、当然私と全く同じ環境にいた人ではありません。
一人一人過ごしてきた学習環境や生活環境が違うわけで、そうなると全く違う答えが返ってくるのは当然のこと。
参考にしながらあとは試行錯誤あるのみでした。
近い環境だった経験者の意見を参考にしながら、自分の生活サイクルに合う学習方法を見つけていく。
私が一つ参考にしたある人は家事をしながら理論暗記をしていたようです。
そこからヒントを得て、洗濯機を回している手待ち時間の数十分理論暗記、洗濯ができて干している時間で先に覚えた理論を空読みしていました。
それで理論の時間はある程度確保できます。家事が終わったらその日のノルマにしている計算に取り掛かかる。終わったらまた理論をしたり、計算の残りがあればそれを片付けたり。
家事の時間が理論と計算のバランスを取る要素になるとは、思いもよりませんでした。
一つの例ではありましたが、なんでも均等にすれば良いというわけではありません。
今やっている勉強の最終目標は試験に合格すること。
合格するためには理論と計算の両方で合格点を取る必要がある。
合格するために理論と計算に必要な勉強時間をそれぞれに充てる。
理論が苦手(遅れている)のであれば理論優先。計算なら計算優先。
その配分は人それぞれ。
逆算しながら自分の最適なバランスを掴むしかありません。
正解がない課題ではありますが、参考になりましたら幸いです。
それでは、また次回。
コメント