私は仕事をしている中で、意識的にやらないことを決めています。
意識的にやらないようにしないと、ついついやってしまいそうなことです。
目先を考えると手っ取り早いけれど、長期的に見ると良くないなと思ってやめています。
とりあえず電話する
連絡のやり取りで手っ取り早いのが電話です。
確認事項があったら、電話を取り出して相手に電話をかける。
私も勤務していた当時はそれが当たり前だと思って仕事をしていました。
ある時、いつものように電話をかけようとして電話を取ったら「この時間にかけるの、自分勝手だよな」と、ふと頭をよぎりました。
自分の都合で自分のタイミングで、相手の貴重な時間(手を)とめてしまっている。
そのことに気がつくと私が電話を受ける立場になっても、今まで以上に敏感になりました。
外出先から事務所に戻ったら大量の不在連絡。運転中にかかってくる電話。
私が折り返すと次は相手が「今ちょっと立て込んでいるから、後でかけ直します」ということも。
そして折り返された時は次は私が出られず、不在着信ラリーを何度も繰り返した経験があります。
今まではそれが当たり前でしたが、この気付きがきっかけで「この当たり前を変えよう!」と決心しました。
周りを変えるのではなく、まずは自分が変える。
まず取り組んだのは、自分が極力電話を使わずに連絡を取るということです。
以前までだったら、電話でやり取りしていたことをメールやチャットを原則にして連絡のやり取りをする。
相手から電話が来て取れなかったら、折り返し電話ではなくメールやチャットで、出られなかった謝罪と用件を聞く。
当然初めの方は非効率だったでしょう。相手からしたら電話でかけたのに文面で返って来るのだから。
メールで返したら、また電話がかかってくることも何度もありました。
電話を無くすことはできなくとも、せめて電話が当たり前という環境を変えたい一心でコツコツと続けました。
そうすると少しずつ変化が出てきました。
今まで必ず電話でやりとりしていた顧客からメールで問い合わせが来るようになりました。
やりとりが多い場合にはチャットを導入しました。
そんな相手が1つ2つと少しずつ増えていき、最終的には私宛の電話は限りなく少なくできました。
一度も相手には強要することはなく自分から少しずつ変えていった結果、今までの当たり前を変えることができました。
そして独立した今ですが、私の事務所には固定電話はありません。
連絡のやり取りは原則チャットやメール。どうしてもという時だけ電話というルールで運営しています。
特別なことは何もしてません。
「とりあえず電話」という意識を変えただけです。
とりあえずコピー(印刷)する
次に意識的にやらないようにしているのが、コピー(印刷)です。
税理士事務所はまだまだ紙文化が根強くあります。
顧問先の申告書の控えや参考書類の控えを保管するために、書庫がある事務所も少なくありません。
それに対して私の事務所はどうかというと、書庫はありません。
あるのは一つの棚だけです。
その棚も書類の保管場ではなく、顧客から預かった資料を一時的に保管しておく仮置き場として使っています。
確定申告時期以外は、スカスカの状態です。
顧問先の申告書控えの書類や印刷書類はありません。
全てクラウド保存して書類では持たないというルールを徹底しています。
元々はコピー(印刷)することが当たり前、紙で保管するのが当たり前と考えていました。
そんな環境から一気にペーパーレスに転換できました。
電話と比べてみると意識的な部分だけでなく、ルール(どのように保管するのか等)を決めないといけない部分があるので少しハードルは高かったですが。
最初に取り組んだことは、まずは「コピーする」という今までの当たり前と思い込んでいた意識を変えました。
そこから書類が増えることはなくなりました。
そして保管しておくべき必要なものはすべてデータ化。
以前までは打ち合わせで「去年の〇〇のことで」と話になった時に「ちょっと待ってね。その書類探してくるから」と言って打ち合わせが中断した結果「見当たらなかったから、また見つけたら連絡します」ということが当たり前のようにありました。
今では全ての顧問先のデータがクラウド保存しているので「こちらで保存しているので、すぐ出しますね」というように変わりました。
書類だったら持っていくのを忘れたということもありましたが、そんなことも無くなりました。
自分にとっても相手にとっても、データ化の取り組みは満足度が上がりました。
最初は大変だったけれど、やってよかったとつくづく感じます。
今やっていることの反面を考えれば変化のきっかけに
私が意識的にしないように決めている電話とコピー(印刷)ですが、どれもきっかけになったのは裏側を考えたからです。
電話だったら、表の自分にとっては手っ取り早くて良いかもしれないけれど、裏側の相手にとっては時間を奪ってしまう、手を止めてしまう。ということ。
自分に置き換えてみても確かに嫌ですね。
次にコピー(印刷)に関しても、表は手っ取り早く目に見える形で比較的安全に保管できますが、裏側は書類の山を作ってしまう、保管場所に困る、取りに行かないと確認できない。ということになってしまいます。
書類に囲まれるのは嫌だし、保管場所に行かないと確認できないのも非効率です。
こうした裏側考えて、自分にとって「これは嫌だな」と思ったからこそ変える決心が固まりました。
より良い環境にするのは、周りから「これ良いよ」というものを取り入れることよりも、自分が「これは嫌だな」と思うものを変えた方が本気で変えようとするものです。
「嫌だけど仕方ないな〜」と諦めるのは変えられる可能性を捨てているのと同じです。
変えられたら、自分にとって良いことだけでなく、結果的に相手のためにもなります。
少なくとも私はこの電話とコピー(印刷)を徹底して、そのように実感しています。
それでは、また次回。
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