試験勉強を進めていると、重要性が高い論点から低い論点まで幅広く学習する機会があります。
高い論点は合格するためには必須の知識であり、万全に対策をしておく必要があります。
それに対して、低い論点は対策をどこまですれば良いのか。
その塩梅がなかなか難しいところです。
学習する優先順位はとりあえず低めでも大丈夫だけど…
重要性の低さと一概に言っても、
- 基礎論点を発展させた応用論点で難易度が高く、重要性が低いのか
- 単独論点でそもそもの出題可能性が低いため、重要性が低いのか
前者は基礎論点ありきの発展問題で重要性が低い場合で、このケースに該当する論点はまず先に基礎をしっかり固める必要があるので、基礎がしっかり固まるまで、着手するにも時間がかかるでしょう。
最終的にこのような部分はできれば優位になるでしょう。
仮にできなくとも他の論点でカバーないし周りも同じであれば差が生じないようなところ。
まず学習する優先度としては基礎固めが先になるので、低めにしておいて良いと思います。
最終的に残された学習時間で着手するのか、一部着手するのか、しない(捨てる)のか、決める必要が出てきます。
後者は単独論点そもそもの重要性が低い場合です。
前者との違いは基礎があって応用があるような、繋がっている論点ではないので、対策をしなければ全く太刀打ちできないことになってしまいます。
こっちに関してはできれば優位というより、できなかった時のダメージが大きくなる可能性があります。
それこそ出題内容や出題量によっては合否に影響するような論点です。
取り急ぎの優先順位は低くとも、本試験までには必ず着手したい論点です。
このように「重要性が低い」にも強弱をつけて本試験までにどこまで対策をするのか、あらかじめある程度先に決めておいた方が良いと思います。
出題された時の影響度合いを知っておく
仮に重要性が低い論点が実際に本試験で出題されたと想定して、できなかった時の影響度合いを考えてみます。
ここで参考になるのが、過去問題です。
その問題が過去にどれぐらいの頻度で、問題内容、ボリューム、配点で出題されたのか等の情報を調べてみるのも良いかもしれません。
例えば気にしている論点が問いの一部に影響するぐらいと、問い全体に影響するような問題ではできなかった時の影響度合いが全く違います。
個人的には出題可能性は低いかもしれないけれど、出題されたときの影響が大きいものは気を付けておいた方が良いと思っています。
私が相続税法を勉強していた頃なのですが、計算問題で「延納」という論点がありました(今もありますが)
出題の傾向を見ると過去数年全く出題されていないような論点でした。
しかし出題された時の問題はどうだったかというと、過去問題を調べてみると計算問題の小問の1つが全て延納を解答させる問題だったのです。
これこそ出題の可能性は低いけれど、できなかった時のダメージは大きいというものです。
まさか今回に限って出題されないことを予想して(願って)着手しないというのも一つあったかもしれません。
ですが、もしも出題された時のリスクを考えるとなかなか捨てきれませんでした。
しかし他にもやるべき勉強は山積み(ちょっとでも時間があれば理論暗記の時間に使いたかった)で、積極的に時間を割くことが難しいだろうなと感じていました。
そのような論点はどのように対策をしていたかというと、勉強する日を先に決めていました。
本試験の数週間前、1週間前、前日のように学習計画で「この日の勉強はこの論点を絶対にする」というように決めて固めていました。
スケジュールにも書き込んで「この日に絶対する!」みたいな感じです。
そうしないと他の論点の復習や理論暗記など、やるべきことが尽きない毎日なので、なかなか着手できずにズルズルと後に引きづってしまいがちになってしまいます。
先に予定を決めて固めておくことで、その時間に集中して対策するようにしていました。
全くわからない・手がつけられないような状況は避ける
どうしても勉強に充てられる時間の都合上、手がつけられない論点も出てくることが考えられます。
仮にそのような論点が出題されたと仮定して、全くわからず手がつけられないような状況は避けたいところ。
税理士試験のような競争試験だと、重要性が低い論点は他の受験生の対策具合も同じような状況と予想されます。
かといっても、合格レベルに達する一定数の受験生はある程度対策ができていると思うので、自分が全くわからなく0点になってしまうと、その部分が痛い失点に繋がってしまう可能性があります(他の問題の解答精度にも影響するので一概には言えませんが…)
応用論点まではできなくてもテキストの基本問題レベルはおさえておくことや、過去に出題された問題は解けるようにしておくなど、できる限りで対策は進めておいた方が良いと思います。
重要性が低い論点は勉強しても無駄なのか
試験勉強をしていると重要性が高いや低いを基準にして試験対策をしますが、それはあくまで試験に合格することを第一に考えた場合です。
もちろん試験に挑戦する以上、合格することが第一優先なのは間違いありません。
私自身はどうだったかというと、重要性が低い論点であっても合格するために対策はしっかりしてきたつもりであります。
試験を終えていま、税理士としてお仕事をさせていただいていますが「幅広く勉強していて本当に良かった」とつくづく感じています。
それこそ最近の実務で駆使した知識が、消費税法の試験勉強でいうところ重要性が低いと言われる論点の一つでした。
勉強した知識を最大限に活かしながら実務ベースに落とし込んで、どうにか乗り越えました。
試験勉強を乗り越えていたとしても、初めてのことや分からないことに日々遭遇します。
その都度勉強したり調べることになるのですが、頭の中は今まで勉強してきたことが毎回ベースになって考えたりしますので、試験勉強で培った考え方や知識は実務に就いてからも、大いに役立っています。
試験勉強で無駄だった勉強は何一つ無いなと。
いま勉強していることが試験に合格するために発揮できるのはもとより、後に合格して税理士として活躍する中でも、いまの勉強の成果を発揮できる瞬間が必ず訪れます。
反対に今頑張っておかないと…。
そう思うと、頑張れる気がしませんか?
それでは、また次回。
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