資格を取っていれば仕事(実務)ですぐに役に立つのか【簿記検定・税理士科目】

「資格を取って仕事(実務)に活かす」

私は仕事(実務)に就く前に資格試験に挑戦していたこともあり、周りからにもよく言われてきました。

就職するためのアピールポイントとして資格試験を取るのも一つの目的になり得るかと思うのですが、私はどちらかというと、その資格をどう活かすかが重要だと思っています。

実際私自身も簿記検定1級まで取得し、税理士試験の科目も一部合格した状態で税理士事務所へ転職したのですが、そこで感じたことがあります。

「なかなか実務が上手く行かない」

最初の方は特に自分の中での「持っている資格をフル活用してバリバリ仕事する」の反面「思うように仕事がいかない」この葛藤がありました。

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強い武器を使いこなせていない感じ

資格は強い武器になり得ます。

しかし使いこなせてこそ、その取った資格の知識を活かせることになります。

私はどうだったかというと、最初から使いこなせていたかというと全然そうではありませんでした。

資格勉強しているので、知識はしっかり身に付いてはいるのです。

なので与えられた問題に適確な解答をすることはできるのですが、実務は勝手に問題を与えてはくれません。

実務は知識を使う段階に如何に持っていけるかが大切だと思っていて、しかもやり方は試験勉強で教えてくれる物ではなく、実際の現場で習得しなければなりません。

簿記でしたら試験勉強では問題(取引)が与えられて、適切に仕訳を解答して転記して、試算表を作るないし決算書を作る。

仕訳から先の工程は知識として染み付いているので得意分野としてできるわけです。

しかし実務では、問題(取引)を自分で作らないといけないイメージです。

顧客から請求書や領収書の資料を預かってくる。そして適切に読み取る。不明点があればどんな取引をしたのかヒアリングをする。

会計業務の一番最初にやるべきことです。

そうやって自分で問題を構築して自分の得意分野に持っていく必要があります。

この部分が適切にできないと、試験勉強で培った知識をそもそも発揮できない状況になってしまいます。

どれだけ試験勉強をして知識を持っていても、最初はこの部分で躓くのは致し方無いかなと思っています。

私自身がそうだったため教える立場になった今、実際に資格勉強をしているけれど実務経験は無いスタッフが入社した時は、このような最初の部分を特に慎重に丁寧に教えるように心がけています。

経験することで知識と紐づいてくる

やれば自ずと慣れてきます。

最初は躓く部分があったとしても、知識があると成長スピードは圧倒的に速いと思っています。

この辺りから試験勉強の強みが活きてくることになります。

パズルで言うと、バラバラのピース(知識)が段々とはまってきてパズルに描かれた全体の絵が見えてくるような感じです。

このパズルに描かれた絵が実務の全体像のようなイメージです。

この全体像が見えてくると、先行的に培ってきた知識が実務と紐づきやすくなってきます。

実務と知識を紐付ける接着剤が経験です。

最初の方はどうにか実務的なことに慣れながら、やっとこさ自分の得意な範囲に持っていけるような感じで、実務と知識が切り分けられている状態だと思います。

それが紐づいてくると、培った知識を基に必要な資料や情報を集めてきたり見慣れない資料や情報でも応用した考え方ができたりと、様々なことに対応できるようになるはずです。

最初を乗り越えれば仕事が楽しくなる

私自身も最初の方を振り返ってみると、少しずつながら実務の全体像が見えていくような感覚を覚えました。

そして仕事が楽しくなり始めたのも、この感覚を覚え始めた頃でした。

「あ〜これ、勉強したやつだわ」

「確か勉強したことによると、こうだったよね」

もちろん試験勉強で得た知識だけではカバーできないので大抵は調べながらすることが多くあるのですが、今まで勉強を頑張ってきた自分に対する自己肯定感も高まります。

さらに詳しくなりたいと思うので勉強に対するモチベーション、仕事に対するモチベーションも自ずと高まってきます。

周りからにも聞かれたり教え合ったり、今まで覚えることで必死で見えなかったことも次第に見えてくるので、新たな発見も多くあります。

ここまでくれば仕事も充実感も感じますし、何より仕事が楽しく感じてきます。

仕事をしながら試験勉強はアリ

仕事をしながらの勉強は一見すると「大変そう」や「忙しそう」のマイナスイメージが強いと思います。

私も税理士試験の後半は仕事をしながらの勉強をしていましたので、確かに時間的な労力は大変でした。

しかし、仕事しながらの勉強は実際どうだったかというと、良い部分もありました。

なぜかというと、勉強したことがすぐに実務と紐づいて勉強した達成感を味わえるからです。

勉強だけだとどうしても、日頃の成果といえばテストの点数と周りの順位ぐらいです。

それが日常の仕事の成果に結びつくので、自分の中でかなりの達成感を味わえます。

それが影響して「もっと勉強したい!」となり、勉強に対するモチベーションも維持できることになります。

受験専念の受験生と違って社会人受験生はこの部分が大きな違いだと思っています。

仕事しながらの勉強をデメリットと考える必要はなく、むしろメリットとして捉えてあげる方が良いです。

そのためにも本当に資格に合格してその道で活躍したい目標があるのなら、その職業に転職するというのも一つ方法かもしれません。

試験勉強をしているけれど、全く違う業種だとなかなか良い部分を活かしきれないので。

士業の資格なら、その事務所で下積みをしながら勉強するといった感じです。

こればかりはその人それぞれのビジョンで変わってくることなので正解はありませんが、私は税理士を目指して他の職種は経験すること無く(講師はしましたが)税理士事務所の門を叩いた身として、後悔は全くしていません。

どちらにしても仕事と勉強を両方するというのは楽な道ではありませんので、それなりの覚悟は必要です。

中途半端な気持ちで取り組んでしまうと、勉強も仕事も中途半端になってしまいます。

社会人受験生からよく聞く言葉の一つとして「仕事が忙しいから勉強ができない…」があります。

私もそうやって聞くことがあるのですが、勉強に対する姿勢が少し甘いのではないのかなと思ってしまいます。

自分で覚悟して選んだ道なのであれば、忙しいのは重々承知の上でその環境の中で合格するため日々邁進していかなければなりません。

本当に合格したいのであれば、その環境であらゆる手を尽くそうとするはずです。

それでも現状で合格できそうになければその環境を変えるなどの方法が考えられたりします。

「仕事が忙しいから…」と聞くと「あぁ、諦めかけてるな」と直感的に思ってしまいます。

時間が無い中で合格するためには日頃の勉強をコツコツ積み重ねるしかありませんが、惰性で続けてしまうのは良くありません。

仕事しながらの勉強はそういったリスクがあるのも事実ですが、その反面相乗効果でモチベーションが高まったり実務経験を積みながら勉強できたりと良い面もあるのも事実です。

あとはやるかやらないかは自分次第です。

それでは、また次回。

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