【税理士事務所開業#1】会計ソフトは何を基準に選ぶか

税理士事務所を開業するにあたって、一番の商売道具になるであろう会計ソフト。

そもそもハードウェア(PCなど)が先と言われたらそれまでですが、それはまた次の機会に。

事務所に導入するソフトウェアは何を基準に考えるか。考えどころです。

最初にお断りしておくと、僕の場合は「一人の税理士事務所」を開業するにあたって考えたことをまとめています。

拡大思考だったりスタッフの雇用も前提にしているとまた状況も違いますので、あしからず。

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目次

慣れているものが良いのか

独立前に勤めていた事務所で使っていた会計ソフトと同じものを契約する。

これが第一優先の候補になるかなと。

使い慣れているのが何より安心感があるものです。

会計→税務→申告 まで一貫しているものも多いので、一通り揃えていればまず困ることもないでしょう。

「慣れているものが良い」という考えだったら、よっぽどのことがなければ他に移る理由もないでしょう。

ですが独立開業。せっかく自分の思い通りにできる中で、前と同じものだけを使うのはもったいないなという気持ちも正直あります。

僕は前職で使っていたソフトウェアがJDLでした。

なので通常だったらJDLで一通り揃えてしまったらそれだけで仕事する分には困りません。

使い方もそれなりに熟知してますし。

ですが実際選んだメインソフトウェアはJDLなのかというと、freeeにしました。

JDLも契約しています。ですがあえてのfreeeメインでいくという選択をしました。

使い慣れたものより、自分のやりたいことを優先して考えた結果です。

元々独立したらクラウド会計をメインに使う事務所にしたいという気持ちが強くありました。

前職の時にもfreeeは使っていましたが、会計のみで税務→申告は当時のメインソフトのJDLにしていました。

なので十分に使いこなせていませんでした。

全部一貫してfreeeで完結させるような事務所運営にしたい。

その気持ちが強かったので、freeeの開業プラン(freee申告までついているプラン)に登録しました。

ではJDLの方はどうしたかというと、実はこちらも一通り業務ができるように契約しました。

なので

  • freeeで会計→税務→申告
  • JDLで会計→税務→申告

初めからここまではいらなくない?と思われるかもしれませんが、最初だからこそやってみないとと考えて、思い切って投資しました。

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移行するのが思ったより手間

なぜfreeeとJDLでそれぞれ一貫して業務ができるようにしたかというと、途中でデータを移行するのが地味に手間だと思ったからです。

例えばfreee会計しか使っていなければ、税務をするためにはJDLに移行しなければいけません。

会計データのインポート機能も備わっているので、無理なわけではありませんが、地味に手間です。

最初はそれでもいいかと思っていました。

理由としては電子申告管理が一つの申告ソフトで管理できるからです。

申告管理を電子申告ソフト内で行おうと当初考えていた時期がありました。

そうなると電子申告元のソフトが複数あれば管理が大変です。

なので、最終的に電子申告するのはどれか一つにする。となればいずれどこかのタイミングで移行という手間が発生するのは避けられないと考えていました。

ですが、そもそも申告管理をその申告ソフトですること自体がどうなの?と考えるようになりました。

申告管理の方法を見直せばわざわざ移行することもしなくてよくなるし、そうなれば移行の手間も省けそうです。

  1. freeeを使っているところはfreeeで申告まで完結
  2. JDLを使っているところはJDLで申告まで完結
  3. freeeの申告状況とJDLの申告状況を別の方法で管理

そのようにしようと次は考えました。

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申告管理はNotionで一元管理

申告管理をする方法を模索していたところ、Notionが一番先に思いつきました。

Notion は元々業務管理で使っていました。

タスク管理から顧問先別の情報管理、案件のスケジュール管理など全てNotion で行っています。

そんなこともあって申告管理をNotion ですることに抵抗もなく、データベースを整備して運用するようにしました。

  • 顧問先
  • 申告状況(申告不要・進行中・業務完了・承認待ち・申告完了)
  • 申告日
  • 申告内容(法人税・消費税・所得税・予定納税・0納付 など)
  • 申告媒体(freee・JDL)
  • 添付資料(PDFでメール詳細や納税管理表を添付できるように)
  • 月末チェック(チェックボックス 毎月25日に申告チェックをしているので)
  • 備考(何か例年と違う特別な申告情報があれば付記できるように。例えば消費税の届出関係とか)

ような項目を作って月毎に管理しています。

他にNotionで作っている顧問先情報とリンクさせることもできるので情報の一元管理もできるようになり、正解だったかなと。

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freeeだけという選択になぜしなかったか

クラウド会計(freee)をメインで申告まで一貫してfreeeでできるようになったのにも関わらず、JDLも引き続き使っています。

なぜfreeeだけという選択をしなかったのかというと、やはりそれぞれ特徴があって得意不得意があるからです。

freeeのみでできなくはないけれど、やろうとすればどこかで負担(手間や時間)がかかるなーと正直感じました。

まだまだ活用しきれていないからということでもありますが…。

そんなこともあり、僕の中では案件ごと(顧問先の状況)によってfreeeかJDLを使い分けるという運用にしています。

法人や事業所得のある個人の方は原則freeeにしていますので、基本はクラウド会計で運用する機会がほとんどです。

しかし、freeeではカバーしきれないような案件も中にはどうしてもあります。

例えば、年末調整です。

freee会計は顧問先で導入しているけれど、給料計算ソフトは別のソフトというケースが結構あります。

最初はfreee会計に合わせて給料計算ソフトもfreee人事労務へ移行してもらうように伝えたところもありますが、会計ソフトより給与計算ソフトの移行の方が難色を示す方が多い印象です。

代表は良くても現場の給料計算担当の方から「給料計算は慣れているものでやりたい」ということも言われたこともあります(確かに気持ちはわからなくはありませんが)

税理士としても会計面ではしっかりサポートしますが、給料計算面はどちらかというと自社でおまかせしている部分があるので、中々踏み込みづらいケースもありましたし。

となるとfreeeの年末調整はfreee人事労務からの給料データを用いて行うことが前提なのでfreeeで年末調整を進めていくのが難しくなります。

一方JDLの方は年末調整ソフトから単独で給料情報を入力して行うことができるので、顧問先によってはJDLの方が圧倒的に手っ取り早いことがあります。

あと、先方がJDLを使っているケースもあります。

その場合はこちらもJDLを使った方が会計データのやり取りもスムーズです。

個人の確定申告(事業所得以外)もJDLの所得税申告書ソフトでしています。

freeeはやはり会計があるのが前提なので、給与所得や配当、譲渡所得のみのようなケースだけの案件は使いづらいです。

そのような案件はe-taxで行う選択肢も考えましたが、パッと作れるのはやはりベンダーのソフトウェアの方が使いやすいかなと(住宅ローン控除はe-taxが良い)

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ひとりだからこそ、環境を整える

今もfreeeとJDLの両方で運用しているわけですが、そのぶん費用はかかります。

そこまで費用をかける必要あるのかと思われるかもしれませんが、ひとりだからこそかけるべきところだと思っています。

少ない選択肢でなんとかこなすより、ある程度の選択肢を投資して持っておくことで案件ごとに使い分けた方がスムーズに進められています。

これが事務所にスタッフがいたり顧問先の状況によってまた変わってくるでしょうが、今の状況だとこの運用がベストかなと。

「ひとりだからそんなに必要ない。」という考えを捨てて「ひとりだからこそ投資するべき」と費用をかけるところはかけるようにしています。

それでは、また次回。

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