【体験談】本番で全力を出すために日々の勉強で意識していたこと

本試験までまだまだあると思うか、あと〇〇日しかないと思うか。

前者で悠長に構えすぎるのもよくないですが後者で焦りすぎもよくないので、結局は「今できること」を毎日積み重ねて行くしかありません。

試験を受ける最終目標は「合格すること」です。

ただ漫然と勉強するのか合格するために勉強するのか、意識するだけでも日頃の勉強に対する姿勢が変わってくると思います。

私が受験勉強で意識していたことは「本試験で全力が出せるように」ということを心がけていました。

自分の持っている力をしっかり出せれば合格できると信じていたからです。

本試験当日の120分でその全力を出せる状態で挑むために逆算して日頃の勉強に落とし込んで、勉強に取り組むことを意識していました。

今回は特に重点的に意識していたことを、まとめていきたいと思います。

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目次

時間にはとことんこだわる

いちばん意識したのがこの時間です。

私自身本試験で時間配分を失敗して苦い経験をしたことがあるため、より神経質に時間にはこだわるようになりました。

全体の試験時間(120分)を意識するのはもちろんのこと。

その120分をどんどん細分化して、最終的には問題毎に、そして問題の形式によっても自分の解答所要時間を決めていました。

まずは理論と計算のそれぞれの時間配分を決めます。

ベーシックな形式だと理論50分、計算70分になります。

この時間がそれぞれの解答時間のリミットと考えます。

その時間内で問題全体の素読みや見直しが入る(大体5分前後)ので実質の解答時間はそこから5分くらい前後する感覚で見る必要があります。

なので気持ちとしては理論45分、計算65分ぐらいで考えて問題によって柔軟に前後させられるぐらいの余裕を持っておいた方が良いかと考えていました。

理論と計算の時間枠が決められたら、次は細分化して時間の所要時間を把握していきます。

これは日頃の勉強から時間を測って時間を意識して取り組む必要があります。

結局のところ、本試験は普段の勉強している問題(個別問題)の集合体です。

なので、普段の勉強で練習している問題(個別問題)をそれぞれ時間を測って記録しておくことを習慣にしていました。

例えば相続税法の計算問題では最初に必ず親族図が与えられて相続人、相続分、基礎控除の解答が求められます。

しかも絶対に間違えられない箇所なので、慎重かつ迅速に解答しなければなりません。

私はこの問題の場合、早ければ3分、遅ければ最大6分かかることを把握していました。

これは普段から様々な形式の親族図を解く時に時間を測って記録していたため、解答の所要時間が把握できていました。

この最大6分の時間がかかる時の問題は、養子縁組絡みの問題が出た時です。

養子絡みは複雑になりやすく、ミスが出やすいので慎重になることが一つの要因です。

なので「養子が出題された=親族図の所要時間は時間がかかる」ということを普段の勉強から把握しているので、本試験でも時間配分の時に瞬時に判断ができます。

実際私が相続税法に合格した年の本試験問題も親族図で養子関係の問題が出題されました。

この問題を見た瞬間に「時間がかかる」と判断できたので、それ以外の時間配分を短く設定する等素読みの段階で時間配分を調整して、慌てることもなく全ての問題に着手することができました。

これは日頃から「目の前の問題をただ解く」だけでは身に付かなかったと思っています。

日頃から「時間を意識して解く」ことをしていなかったら、もしかすると本試験では違った結果になっていたかもしれません。

制限時間内に合格点を確保するコツは「問題の適切な取捨選択」

次に意識していたのが、問題の取捨選択。

特に計算問題が中心になるかと思います。

本試験は120分(計算問題だけ考えると70分前後)ありますが、全ての問題にじっくり時間をかけて解答する時間はありません。

最初から最後まで順に解いて行ってしまうと「最後の方は時間が足らず解ききれなかった…」なんてことにもなってしまいます。

最後の方に得点源の問題があると、合否に大きく影響が出てしまう可能性があります。

そうならないように問題の適切な取捨選択が重要になってきます。

取捨選択で意識していたことは「着手した問題は必ず得点する」ということです。

着手して間違ってしまうと、それは単に時間のロスになってしまいます。

時間をかけた分はしっかり得点する。この部分を徹底していました。

必然的に基本論点は先に着手して、早々に得点に結び付けていく必要があります。

反対に着手しても得点しづらそうな論点(応用論点など)は後回しにする判断が必要です。

「先に着手する問題」と「後回しにする問題」を判断、これが結構難しい。

自分の得意不得意分野でも変わってきますし、全体的な問題の難易度でも変わってくるので一概に「この問題は先」とか「後回し」とかを判断することが難しいです。

これも普段の勉強から「この問題はすぐ解答できる」とか「この問題は後回しにしても良さそう」という基準を身に付けておかなければなりません。

実力者程この取捨選択が難しくなる印象です。

税理士試験に番狂せ(普段のテストで高得点を取っている実力者が本試験合格できない)が起こる要因もこの辺りにあるのではないかと思っています。

税理士試験は基礎論点や得点源の問題をしっかり解答して確実に得点を積み重ねていけば合格点に十分に達します。

当然のことですが、その当然のことを本試験で実行するのがなかなか難しいため、合格のための価値のある要素になっているわけです。

普段から難解な応用論点まで学習して正答できていると、本試験でもそのような問題に出会ったときに「自分なら解ける!」と判断して、無理に着手してしまいがちになってしまいます。

その問題に着手して正答すれば良いのですが結局間違ってしまったり、そこに時間を使ってしまったが故に他の基礎論点の問題に着手できなかったりと影響が出てしまうと、全体の点数に響いて結果的に合否に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

なので普段から応用論点に挑戦して解法を身に付けておくことは勉強として大切なことですが「本試験に出題されたらどうするか」ということを意識して問題に取り組んでいく習慣を身に付けておくと良いかもしれません。

本試験はとにかく時間との勝負です。

難しい問題が解けた人が合格できるような試験でもありません。

先程にも述べたように、着手した基本論点を間違わずに得点を積み上げた人が合格できる試験です。

その得点源の問題を適切に取捨選択する訓練も、普段から意識して取り組んでおく必要があります。

理論暗記はアウトプットを想定しながら

次に理論に関してですが、理論学習のほとんどを占めるのが暗記の時間だと思います。

私も一受験生の時はそうでしたが、苦戦しながら日々の暗記を頑張っている受験生がほとんどかと思います。

覚え方は人それぞれあると思いますので具体的なことは今回は割愛しますが、まずは覚えることが第一優先にはなってきます。

何回も繰り返し覚えていると次第に暗記精度も高まってくると思いますが、最終的には問題を適切に読み取って、覚えた理論を解答用紙に反映していかなければなりません。

したがって暗記「インプット」だけではなく記述「アウトプット」も意識していかなければなりません。

理論のアウトプットの練習は答練が中心になってくるかと思います。

答練では理論問題が与えられて自分で解答を考えて、かつ、制限時間内に書くまでの一通りの理論演習ができるので、まずは1回1回の答練の機会を大切にして解くことが有意義な理論のアウトプット練習に繋がります。

では答練でしかアウトプットの練習ができないのかというと決してそんなことはなく、普段の暗記と合わせて「問題を考えてみる」ことで疑似的にアウトプットの練習もできます。

私自身もやっていたことですが、ある理論を覚えると同時に「この理論が出題されるとどのような問題になるだろうか」と考えていました。

答練では「問題⇨解答」ですが「解答⇨問題」を想像してみることで、普段の単調な理論暗記から本試験を想定した理論学習を意識していきます。

とは言っても問題文章を考えるといったことではなく、

「問題でこう聞かれたら、この理論のこの部分を中心に書けば良いんだな」とか、

「この理論が中心の問題でこんな感じで聞かれたら、この理論だけでなく、あの理論も関連して書かなければいけないな」

とか、色々想像を膨らませて想定するような感じです。

問題の出題傾向も年によっても違うし科目によっても変わってきますが、直球で聞かれる問題「〇〇の規定を答えよ」(いわゆる個別問題)だったら、インプット重視で考えて暗記精度をとにかく高める方に注力した方が良いと思います。

これも私が受験していた頃になるのですが、私が相続税法を受験していた頃の出題傾向が応用事例理論が主流でした。

理論は大きく2題出題されるのですが、どちらとも応用事例理論の出題が続いていました。

したがって個別理論の精度を高めることも大事でしたが、それだけでなく問題を適切に読み取って解答できるような幅広い対策が求められていました。

当時の私も「応用事例理論対策をしていないと今の相続税法の合格はできない」と強く感じていましたので、日頃からアウトプットを意識した理論学習をしていました。

毎回の答練も一度解いたら終わりでなく、その問題をスキャンして関連する理論マスターの隣に貼り付けるようにして定期的に理論を覚えるタイミングで、過去に解いた関連の問題も思い出して解答を想像するような練習もしていました。

それにアウトプットの勉強は暗記学習の休憩代わりにもできるので、その辺りは効率良く学習しやすいかなと思います。

暗記をしているとある程度で疲れてきます。

休憩の時に隣に貼り付けている問題を見て、解答(理論の柱)だけを頭で思い浮かべる。書くことはせずとも、解答を考えるだけでも十分練習になります。

理論の勉強して休憩中に理論の勉強をする。

一見すると休憩になってないと思われるかもしれませんが、やることを少し変えるだけでも良いリフレッシュになりますよ。

スマートフォンを見たりゲームをしたりするよりかは、ズルズル休憩が長引くリスクも少ないので良いのでは、と勝手に思っています。

ぜひお試しください。

自分の傾向(クセ)を把握して対策をする

問題を解いていると、毎度同じようなミスをしてしまうことがあります。

ミスは早期に見直しをして理解して、次に同じ間違いをしないことを積み重ねていく必要があります。

それと似たように、自分の傾向(クセ)も次第に出てくるようになります。

私が法人税法を受験していた頃、ケアレスミスを多くしてしまう時期がありました。

「これではいけない」と思って、自分が間違っているところを分析することにしました。

当初は苦手論点があって、その部分がミスに繋がっていると漠然とながら思っていました。

しかし書き出していったところ、苦手論点もあったのですがそれ以外に気がついたことがありました。

それが計算問題の後半にケアレスミスが多発しているということでした。

もっと掘り下げていくと、計算問題の最初にボリュームがある問題に手をつけてしまって、そこに時間を取られたり、うまく解答できなかったことが後半に影響することが多いということに気がつきました。

この頃は問題を最初から順番に解く解答スタイルでした。

問題によって最初に難問や量が多い問題に当たると、それが全体の解答率の低さに繋がっていたのです。

これに気付いたのがきっかけになって問題を解く順番を改めたり、後半にミスをしやすい自分を理解して基本論点は先に解いてしまうなど、解き方を一新しました。

これを機に普段の勉強からミスを軽視せず、原因をしっかり特定することが習慣になりました。

私はこれらが起因になってケアレスミスが少なくなりましたし、時間配分で大きな失敗に繋がることは無くなりました。

小さなミスや気になったことは事細かに記録していくと、意外な発見が見つかったりすることがあります。

自分のことは自分が一番良く分かっているようで、まだまだ気づけていない部分もたくさんあるものです。

冒頭で述べたように、私は「本試験で全力を出す」ためにこれらのことを意識的に心がけていました。

それさえできれば、結果はその後にきっと良い形で付いてくるので。

それでは、また次回。

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