私が受験生の時、勉強の合間にやたらと他人が書いている合格体験記を見ていました。
「いつかは見る側でなく、伝える側になりたいな〜」と思い耽りながら。
今ふと思うと、「その立場やん!」と今更ながら気づきました。
人それぞれ紆余曲折を経て合格を勝ち取っているのを見ていて、一受験生ながらやる気をもらえることも多くありました。
次は伝える側として、一受験生だった私の合格体験記を科目毎に書いていきたいと思います。
今回は財務諸表論編です!
せっかく真剣に取り組んでいる試験勉強、何か形に残したい
税理士を志したのが18歳、初めての税理士試験に挑戦したのが20歳の時でした。
その時から「勉強の形を何かしらに残したい」と思っていました。
そこで、思いついたのが“税理士試験の勉強時間を全て記録すること”でした。
最初に受験した科目から最後の合格までの勉強時間数を可能な限り集計しました。
これが税理士試験に挑戦している受験生へ何か参考になればと思っています。
初めての科目合格は財務諸表論
私は最後の合格科目以外はずっと複数科目受験でした。
初めての科目合格は財務諸表論でしたが、この時に同時に勉強していた科目は簿記論です。
簿記論については、この財務諸表論の年は残念ながら不合格になってしまいました。
私が財務諸表論に合格するまでに要した時間は850時間です。
この時間は理論も含んでいます。
多いと見るか少ないと見るかは感じ方次第ではありますが、1年だとすると1日平均2時間20分程度でしょうか。
なんせ初めての税理士試験だったこともあり、勉強方法も確立してない状態でした。
なので講師から与えられた課題を”とにかくこなす”ことを続けた結果、合格できた科目です。
私にとって財務諸表論が合格できた一番の要因は、まさしく講師の力!でした。
財務諸表論の計算論点は簿記論がベース
税理士試験の科目選びの時に会計科目(簿記論・財務諸表論)は一緒に学習した方が良いとよく言われています。
このことについて以前に記事にしたことがあります。気になる方はリンクを貼っておくので、見てみてください。
簿記論は全て計算問題ですが、財務諸表論は理論問題と計算問題があります。
簿記論も財務諸表論もどちらも会計のことなので、計算問題については簿記論で学習する論点を抑えていれば基本的にほとんど網羅できます。
ただ計算論点は重複しているといっても簿記論と違って出題のされ方や解答の仕方はもちろん違うので、その辺りは財務諸表論の学習でカバーするといった感じで勉強を進めていました。
簿記論と同時学習することにより簿記論の勉強で簿記論と財務諸表の計算論点をカバーして、プラスアルファで財務諸表論特有の箇所を押さえていくといったイメージです。
計算は配点50点ですが、普段の勉強の時から私の中で基準として“8割(40点)以上は絶対とる”と常に意識していました。
私は理論に比べて計算の方が自信があり、比較的点数が安定していたということもあったので問題の難易度で左右されず、“確実に計算でしっかり点を確保して理論で点を積み重ねて合格点に持っていく”スタイルを確立するように意識していました。
理論は丸暗記に近かった。
税法を経験している今では絶対にしなかったしおすすめできない勉強方法でしたが、なんせ初めての受験科目で当時は理論学習方法も確立していなかったので、最初の方は理解よりとにかく覚えることに注力していました。
気づけば理論テキストのほとんどを覚えてしまうぐらい、読み込みました。
当時の出題傾向で応用理論がよく出ていたこともあり、覚えているだけでは対応ができなかったので、なかなか合格答案に至るまでに苦労をしました。
そこで直前期は応用理論対策として“どのような切り口(視点)から問題が出題されるか”を想定して解答ができるように訓練をしました。
当時の講師も様々な角度から問われる理論問題を想定して対策講義を展開していたので、すごく参考になりましたし、そのおかげで合格できたといっても過言ではありません。
イメージとしては理論の問題文をしっかり理解して、頭の中に入っている覚えた理論を的確に解答に持ってくる感じです。
私の場合、覚えるのが先行していて先に理論は覚えて頭に入っていたこともあり、“問題を読んでどの理論が必要なのか”を読み解くコツが掴めてきたら、あとは覚えた理論を書くだけなので、そこから一気に理論の点が伸びてきました。
最終的には答練の全国順位が3位まで持っていくことができました。
初めての科目合格した時の心境は複雑だった。
そうしてその年に財務諸表論を無事合格することができましたが、同時に受験した簿記論は不合格でした。
結果通知書を見たときはなんとも言えない複雑な心境でした。
嬉しい気持ちもあるし、悔しい気持ちもある。こんなに複雑な心境を経験したのは当時の私は初めての経験でした。
というのも簿記論も手応えがあったので、合格の自信が十分にあったからです。
原因はまた簿記論の合格体験記の時に書きますが、本気で勉強して結果が出なかった時は「この1年はなんだったんだ…」と本気で落ち込みました。
その積み重ねで今があると思えば、それも良い経験だったなと思っています。
財務諸表論編はこんなところでしょうか。
私の体験談が、どれぐらいの人にどれだけの影響を与えるかはわかりませんが、見てくださった人へ、少しでも何か感じるものが与えられたら嬉しいです。
この次は簿記論編です。引き続き読んでいただけると幸いです。
それでは、また次回。
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