【税理士試験 限られた時間内で合格点を獲るために】取捨選択を上達させる勉強と考え方

試験の解答解説をみていると『問題の取捨選択が重要』という文言をよく目にするかと思います。

『取捨選択』というのは、出題された問題から着手する問題と捨てる(後回し)問題をあらかじめ選定することです。

その選定が本当に正しくできているのか、自信をもって取捨選択をするには何が必要なのか、私自身悩んでいた時期がありました。

ある時は『正しい取捨選択をするにはテクニックが必要』と勝手に思っていました。

いま思い返せば、単純に努力不足だったのに「なんて軽薄な気持ちだったんだ…」と情けなくなりますが…。

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時間内に全て解くことは至難の業

税理士試験は120分ですが、その時間に見合わない問題量が当たり前のように出題されます。

科目によりますが、時間内に全て着手してじっくり解答する時間は恐らく無いでしょう。

少なくとも私が受験してきた科目(簿記、財表、法人、消費、相続)についてはどれも同じで、120分間は息つく間もありませんでした。

時間対策として、とにかくスピードを求めて『速く解答』するということも一つ考えました。

ですが時間がかかるところはやはりかかってしまいます。

この試験は良くも悪くも競争試験です。

周りも同じ状況で、制限時間内に解き切れない人がほとんどだと思っています。

その中で取れるところを取って得点を重ねてくるわけです。

自分だけスピードに振りすぎたが故に解答精度が落ちてしまうと、それこそ本末転倒です。

ある程度のスピードは必要でしょうが、自分のキャパを超えたスピードを無理に引き出そうとすると、次はミスが目立ってきます。

私自身のことですが、急いで解答して良い結果だったことは思い返す限り、ありません。

逆に合格した時は共通して、終始落ち着いて解答できていたように思います。

『全て解き切る』ということを諦めるという事ではありませんが、解き切ることに執着しないことが大切かと思います。

試験は速解き競争ではないので。

限られた時間で合格点を獲るためには取捨選択が不可欠

となると制限時間内に合格点に届かせるためにはどうすれば良いか。

周りが獲るところを確実に獲るために、獲らない(捨てる)ところを見極める必要があります。

私は問題の取捨選択(優先順位も含めてですが)は段階として3段階決めていました。

  1. 時間かかけずにパッと解く
  2. 少し時間をかけてじっくり解く
  3. 捨てる覚悟で後回し

1.の判断は問題の種類で分けていたようなイメージです。

時間をかけて計算式を構築したり考えたりする必要が無いもの。

例えば法人税法だったら租税公課の問題だったり、相続税法だったら預貯金や上場株式の問題のような、転記すれば良い、ちょっと電卓を叩けば解答が出るような問題です。

この問題が出たら即1.のジャンルに振り分けて先に解くようにしていました。

問題が2.と3.の振り分けです。

この振り分けが難しくもあり、必要不可欠で重要なところだと思っています。

そして一概に1.の基準みたいに問題の種類だけで判断するのが難しいところでもあります。

この辺りは経験値がものをいうと思っていて、日頃の勉強で判断の精度とスピードを培っていくほかないです。

1.と2.の2パターンで分類しようとしたらおそらく2.で時間が圧迫して、解ききれない問題も多く出てくると思います。

先程もありましたが、この試験は競争試験なので周りより1点でも多く積み重ねていかなければなりません。

1.は必ず得点。これはどの受験生でも合格するためには必至な部分。

そして2.の部分。ここがどれぐらいできるかで差が生まれてくる部分だと思っています。そして合否を分けるような大事な問題も含まれています。

最後の3.について捨てることへの不安があれば、なかなかこの3.に分類するのが難しくて(不安で)結局手をつけてしまう(2.の分類にしてしまう)

そうすると2.の部分に充てる時間が圧迫して解けきれないもしくは精度が落ちてしまう。

可能な限り3.を無くして2.で解き切ることができれば、それに越したことはありませんし、普段の勉強では意識すべきところです。

ただ必要以上に2.に持って行き過ぎると危険なこともあるので、その判断が難しいところ。

3.に分類する勇気。本試験ではかなり重要な要素だと思っています。

本試験は1年に1回の一発勝負。

「絶対に合格したい!」という気持ちが先走っている精神状況で120分の試験を乗り越えなければなりません。

その中で平常心を保って冷静に「これは捨てる!」と決断しなければなりません。

それも一瞬でです。

取捨選択を上達させるためには

冒頭でも書きましたが『正しい取捨選択をするにはテクニックが必要』と浅はかな考えを勝手に持っていました。

確かにその『テクニック的な要素』もあるでしょう。

が、それらは考えて思い付きで急にできるようになるものではなく、地道な小さな訓練を積み重ねてできるようになること。

それは何か。

とにかく『解き込む(やりこむ)』しか無いなと。

  1. 解き込んでいれば経験値があるので、同じないし似たような問題を見たら瞬時に解法が予想できる。
  2. 解き込んでいると1.に起因して格段に解答スピードが上がる(実力が伴って無いのに無理にスピードを上げようとしたら精度が落ちる)
  3. 解答の要領が自然と身につく(確認すべきこと、どこまで解答すべきか、時間の配分 等) 
  4. 自信が身に付くことで、見たことない問題に遭遇しても「周りもできないだろう」と思えるからバッサリ捨てられる。

1.〜3.まではテクニック的な要素があるかなと。

それも表面的なテクニックではありません。解き込んでいると自分の良いところ、悪いところが嫌でも出てきます。それに対応させるために試行錯誤した自分だけのテクニックになるかと思います。

やりすぎぐらいやらないと行きつかないところです。

4.の要素。これが一番大きいかなと。

やっぱり取捨選択は不安に打ち勝てるかどうかだと思っています。

捨てきれない。いつも難しい問題に着手して時間が足りなくなってしまうのは、おそらく気持ちのどこかに

  • 「他の人は解けているかもしれない」
  • 「負けないためには解かなきゃ」

のように感じているのではないでしょうか。

それって自分で自分のことを周りより下(実力不足)だと思い込んでいるから思うことではないでしょうか。

「自分よりできる人がいるから、負けないようにあれもこれも全部やらなきゃ」みたいな感じです。

ほとんどの人が同じように合格を目指して毎日積み重ねています。

その周りの人に誰にも負けないと思えるぐらい解き込み(やり込み)ます。目先の普段の点数で判断はしません。というかできるものではありません。

なかなか答練(答案練習)の点数が伸びなくても、めげずに問題を解き込む。

続けていれば、心配しなくても点数は後で絶対伸びますから。

大事なのは「これだけやったんだから大丈夫!」と心の底からそう思えるかどうか。

どれだけするかは人それぞれ。学習環境で確保できる時間も違えば得意不得意もあるので、目安の量や時間は分かりません。

とにかく最後に「これだけやったから」と思えるかどうか。あくまで自分ベースです。その部分は周りの人と比べる必要は無いと思っています。

それが土台になり、最終的には自信を持った取捨選択ができるようになるはずです。

いつまでも表面だけの『問題の取捨選択はテクニック』と勘違いして行動(勉強)していなければ、おそらく私も合格には辿り着けなかったと思います。

『取捨選択が自分の課題』だと思っているのであれば『いま以上に徹底して勉強する』ということがシンプルですが、解決の糸口になるかも知れません。

それでは、また次回。

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