【税理士試験 相続税法】避けては通れない宅地評価にどう立ち向かうか【計算編#3】

相続税法シリーズ。少し時間が空いてしまいましたが、続編という形で今回も書いていこうかと思います。

前回まで見られてない方はこちらも、ぜひ読んでみてください。

今回は財産評価の二大巨頭の一つ、宅地編です。

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目次

解きやすそうな問題から先に解いていく

計算論点の二大巨頭は、他の論点と比べてより顕著に開きが大きいような感覚があります。

宅地に関しては、補正率を検討したり借地関係を検討したり、最終的には小規模宅地等の特例の検討があり、と検討すべきことが多くあります。

宅地が出題される数としては、計算の総合問題で大体3、4つぐらいでしょうか。

本試験で出題されるものは難しいものばかりというわけではなく、基本的な論点も普通に出題されます。

1つはかなり時間を要する複雑な宅地で残りは比較的解きやすい宅地だったりするので、宅地に関しては財産評価の宅地の論点の中でも問題を解く優先順位は結構大事だと思っています。

問題1発目の宅地は難しい!?

これは私の感覚的なもので、信憑性は薄いので余談として書いておきます。

総合問題で出題される財産評価の先頭の問題、宅地のことが多いと思います。

その一発目の宅地がやたら評価が難しいイメージが強くあります。

問題作成も敢えてそのように作っているわけではないとは思いますが、私は一発目に難しい宅地に手をつけてしまうと自分のペースが乱れてしまってました。

計算って流れというか自分のペースで進められるとスムーズに解けて点数も良かったりするのですが、そのような宅地で出鼻を挫かれてしまうとペースも乱れてしまい、使い過ぎた時間から気持ちの焦りも高まり、その後の問題にも悪い影響が出ていました。

なので私は対策として、一発目に出てきた宅地は宅地の優先順位を後らせることが多かったです。

もちろん一通り素読みした上で、最終判断していました。

基本的な問題だったら先に解くこともありましたが、思い返してみると後回しにしていたことの方が多かったように思います。

宅地の3つ目や4つ目で簡単な問題が出ていれば先に手をつけて、確実に得点にしてから最後に難しい問題に挑むような感じです。

「ちょっと複雑そうだな」と思ったらすぐ後回し。

「これはできる!」と思ったものから解答する。

宅地論点以外にも言えることですが、優先順位付けは大事だと思います。

テキストや問題集で見たものは解けるように徹底する

宅地の評価方法は多岐に渡り、中には複雑怪奇なものも多く、頭を悩ませられることが多いです。

受験上出題されている宅地評価はその一部分。

せめてテキストや問題集で出会った問題は最低限解けるようになっておきたいものです。

私自身、宅地論点の学習で意識していたことは『捨て問を作らない』ということです。

難易度が高い問題でも対策せずに『捨てる』という判断をするのではなく、難易度が高く時間がかかるということを対策を講じて理解したうえで、本試験では『捨てる』という決断をするのはアリだと思います。

そうすると取捨選択を誤ってしまう可能性も低くなると思っています。

『とりあえず捨て』にしてしまうと一部解答可能な部分が実はあったりと、他の受験生が解答できるところを捨ててしまったら後れをとってしまうことになります。

普段から対策した上で「これは本試験で出題されたら後回しだな。最悪時間がなければ解けなくても仕方ない」と理解していれば、いざ本番で出題されても瞬時に判断することができるし、時間配分を間違ってしまうことも少なくなるのかなと。

宅地の論点で最大限に得点するためにも失点を最小限にするためにも可能な限り、広く対策をしておいた方が良いかなと思います。

宅地(非上場株式もそうですが)に関しては経験値がものをいうと思っています。

なので私は普段の学習ではトレーニング(TACのカリキュラムで支給される問題集)の他に、市販されている過去問題集と財産評価問題集を別に購入して繰り返し解いていました。

これですね。

同じTACの教材なのでトレーニングと財産評価問題集の一部が似ているものもありますが、そのあたりは気にせず解いていました。

これらの問題集をスラスラ解けるようになるまで、計画立てながらひたすら繰り返しです。

過去問題も実際の本試験でどの程度の問題が出題されるのかを把握するためにも、解いた方が良いと思います。

小規模宅地は反射的に解答できるように

宅地の論点といえば評価に続いて小規模宅地の計算もあります。

このあたりまで含めると宅地のボリュームはかなりのものになります。

小規模の判定は正確かつ瞬間的に解答できるようになるまで対策をすべきと思っています。

宅地の問題(家屋も含めて)を見ていると宅地の利用状況も記述されています。

私は小規模宅地の種類(特定居住用、特定事業用、貸付事業用、特定同族会社事業用)は問題文からすぐに読み取って先に判断することも多かったです。

その宅地の問題の余白に

  • 特定居住用→居
  • 特定事業用→事
  • 貸付事業用→貸
  • 特定同族会社事業用→同

のように、メモとして残していました。

それと同時に解答用紙の小規模宅地の解答スペースに先に

(1)判定

 ①A(特定居住用) ~

 ②B(特定事業用) ~

宅地名(アルファベット)と種類(特定〇〇用)と書いていました。

その隣に各宅地の評価ができた都度、金額計算式(~)を記入していきます。

なので順序としては

  1. 問題を読む
  2. 小規模の判定と解答
  3. 宅地の財産評価
  4. 小規模宅地の計算

宅地が3つ4つ出題されたとして、宅地の財産評価を一通り終わらせて小規模の計算に移るというのではなく、1つの宅地の財産評価と小規模の計算までセットにしていました。

そして最後の小規模宅地の有利判定(小規模宅地の減額金額の解答)は全ての宅地の評価が終わってから金額をみて判断して解答するような流れです。

評価に比べて小規模宅地の判定はそこまで複雑でなく、時間もかからない印象です。

宅地の評価に時間を使い過ぎて、小規模の判定→計算が全くできていない白紙の状態だと小規模の解答ができている他の受験生と差がついてしまう可能性があると思ったので、私はこの流れで解答をしていました。

実際は小規模の判定でどこまで点数が配点されるのかは分かりませんが。

最悪時間が足りなくて小規模宅地の計算まではいかなくとも、判定は確実にできたということを解答に残していれば白紙よりかはマシです。

そのような問題だと他の受験生もそこまで辿り着けていないはずなので。

評価は時間がかかっても小規模の判定はできます。

あくまで解き方の一例ですが、限られた少ない時間の中で最大限に得点するために自分の最短かつ正確に解答できる方法を模索してみてください。

小規模の宅地等の特例の理論は覚えておいた方が良い?

小規模宅地の問題は基本的に計算問題が主流になりますが理論もあります。

広く覚えようとしたら特定居住用宅地や特定事業用宅地などの定義までありますが、そこまで暗記を広げておく必要があるかというと、私はできることなら着手しておいた方が良いと思っています。

もちろん理論なので理論対策でもあるのですが、小規模宅地の理論は計算にも密に繋がるので、特定居住用宅地や特定事業用宅地などの定義を理論ベースで一度理解しておくと判断が格段に速く正確になると思います。

過去の本試験の理論で特定居住用宅地や貸付事業用宅地の定義の出題がピンポイントにされたこともあり、理論としても捨てきれない部分だと思います。

完全暗記というより白紙にならない程度の記述はできるようにしておくためにも、着手しておいて無駄にはならないかと。

それこそ私は特定同族会社事業用宅地の判定が苦手な時期がありました。

そこで理論マスター(理論集)の用語の意義に分類されていた特定同族会社事業用宅地等を理論ベースで理解してみようとしました。

一言一句というより、判定の際に重要なキーワード部分を中心に覚えるような感じです。

体系的に理解することで要件の検討漏れが無くなったし、小規模宅地で「間違ってしまった!」ということはほぼ無くなりました。

余裕があるのであれば、理論対策の一環としてそのあたりまで確認するのも一つかもしれません。

解答を速くするためには数をこなすしかない

財産評価の中で宅地は非上場株式に次いで大きなボリュームを占める論点になります。

精度を落とさず時間をかけ過ぎずに進めていかなくてはいけません。

宅地は形状や利用程度によって評価方法が多岐にわたり、複雑です。

複雑な解答手順(計算方法)を瞬発的に思い浮かべて解答に結びつけるようになるためには、やはり数を解き込んでいくしかありません。

宅地に限らずですが裏技みたいなのは無く、コツコツやっていくしかないです。

解き込んでいるうちに、解答の手順を見直したり工夫の余地が見つかってくるはず。

特に不整形地は必ずと言っていいぐらい、本試験で出題されます。

なので不整形地は徹底して解き込むべきです。

そして最終的には財産評価の二大巨頭は自分なりに絶対的な自信がある状態で試験に挑めるぐらい、徹底した方が良いです。

やりすぎぐらいで丁度いいですし、それぐらいやらなきゃダメだと思っています。

私自身、問題集に出た宅地の問題は内容も全部覚えてしまうぐらい何度も何度も解きなおしました。

連続で解いてしまうと解答を覚えてしまって復習の効果が薄くなるので、何日か空けてもう一度解きなおしていました。

自分で学習サイクルを管理しながら本試験までに出会った宅地評価は全部マスターするぐらいの気持ちでいました。

それをやった上でも本試験で知らない宅地の評価が出たら「他の誰も解けないから大丈夫」と思っていました。

できないのなら、できるようになるまでやる。

苦手なら、得意になるまでやる。

やれば絶対できるようになることなので、あとは自分次第です。

次は非上場株式編です。また後日記事にまとめてアップしますね。

それでは、また次回。

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