【税理士試験】複数科目受験すべきか、1科目に専念すべきか

税理士試験は科目合格制で、完全合格するためには全11科目のうち5科目を選択して合格する必要があります。

1回の受験で1科目しか受けられないというようなルールはないので、基本的に同時受験も可能です。

1年に1回(8月上旬)きりの試験なので、早期合格を目指している受験生は複数科目受験も検討している方も多いでしょう。

ただし各科目の合格率はどの科目も10前後、しかも競争試験(合格点が決められている相対試験ではない)なので、1科目の中でも熾烈な競争が繰り広げられます

そんな特徴がある税理士試験ですが、複数科目勉強するか1科目に絞って勉強するか迷われている方へ、参考としてまとめていきたいと思います。

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目次

会計科目の組み合わせは相乗効果が見込める

税理士試験の必須科目である簿記論と財務諸表論はいずれも会計科目なので学習論点も同じところが多々あります。

そのような理由から2科目を選択することにより学習量が多くなってしまうのは仕方ないことなのですが、会計科目の組み合わせに関しては相乗効果が見込めるので同時に学習する受験生も多いです。

学習範囲が被っているところに関しては、どちらかでしっかり理解できていればもう一方は頭に入りやすくなるし、その分学習時間も抑えられます。

会計科目を1科目ずつに分けてしまうと、結局同じ論点をもう一度思い出して学習し直すなどの対策が必要になりますので、かえって効率が悪くなってしまう可能性もあります。

明らかに学習時間が確保できない場合やどうしても他に受けたい科目がある場合を除いて、同時に学習するのが良いかと思われます。

何年で合格したいのか目標を掲げる

これは試験に限らずですが、目標(合格)までのビジョンがないとそれを達成するため対策(学習計画)も立てられません。

5科目合格する必要があるのなら、それを何年で達成するのかまず決めてしまいましょう。

税理士試験は受験生活が長期にわたることが多く、5年でも早いと言われるぐらいです。

それに結果に応じて計画を途中で練り直す必要も出てくるかもしれませんが、だからと言って最初に目標を立てる段階で消極的になることはありません。

自分が考えているビジョンで何年で合格するのか目標を立てましょう。

合格目標【2年〜3年】

例えば2年〜3年で5科目合格を目指すのであれば、複数科目での受験が必至になります

組み合わせによって3科目受験も想定しておかないといけません。

時間もしっかり確保して勉強に取り組む必要が出てくるので、受験専念ないし時間調整しやすい仕事にするなど、なるべく勉強中心の生活ができるように環境も整えていく必要があります

1年目に3科目受験するのであれば会計2科目(簿記論、財務諸表論)と比較的ボリュームの少ない税法科目を1つ選択し、2年目にボリュームの大きい必須税法科目(法人税法又は所得税法)、3年目に残りの税法科目を選択する、というように組み合わせも非常に大切になってきます。

合格目標【5年以内】

次に5年以内での合格を想定したケースです。

1年1科目で5年計算にはなりますが、税理士試験は競争試験なので毎年受験した1科目がスムーズに合格できる保証はありません。

したがって会計科目は2科目同時に受験するなど、2年目や3年目までの前半にできるだけ複数科目を受験しておいた方が、結果に応じて後半は柔軟に受験計画を修正することも可能です。

このように受験期間の前半は複数科目勉強して受験する、後半は残りの科目を専念するといった選択も考えられると思います。

確保できる勉強時間を考えてみる

勉強時間に充てられる時間は人によってまちまちです。

学習専念している人と仕事している人では勉強に充てられる時間が大きく異なります。

税理士試験の合格を目指す以上、働いているから時間が無いことを言い訳にすることはできません。

今の環境で確保できる勉強時間を見積もることで、複数科目受験か1科目に専念すべきか決めたり科目の組み合わせを考えたりしていく必要があります。

例えば1週間で平日2時間と休日8時間程度勉強したとすると1年間(52週間)の勉強時間は1352時間となります。

下の図は各科目ごとの勉強時間をまとめたものです。個人差により開きが出てきますので、あくまで参考として捉えていただければと思います。

科目標準勉強時間(理論暗記除く
簿記論450h
財務諸表論450h
法人税法600h
所得税法600h
相続税法450h
消費税法300h
酒税法150h
国税徴収法150h
住民税200h
事業税200h
固定資産税250h
出典 TAC

1年間に確保できるのが1352時間としたら、会計2科目(簿記論、財務諸表論)は学習可能かと思われます。

時間数だけ見ると「法人税」「所得税」も600時間ずつなので2科目できると思われそうですが、この時間には理論暗記は含まれていません(暗記は個人差に大きく開きがあると想定されるため)

税理士試験は簿記論以外の科目には理論が出題されますので、その対策として理論暗記が必要となります。

個人差があるとしても、この理論暗記にはかなりの時間を要するので、それを考慮すると1352時間で「法人税」「所得税」の2科目の選択は、かなり厳しい学習計画になると思われます。

個人的な感覚としてはその時間数で1年間挑戦するのであれば、どちらか1つに絞った方がいいのではないかと思います。

このように1年間で確保できる勉強時間を想定して、その枠内で目安の勉強時間を参考にしながら科目の選択ないし複数科目受験する場合の組み合わせを考えるのがいいかと思います。

できることなら複数科目受験、明らかに無理なら1科目専念で

1年に1回の試験であり科目合格制である税理士試験。

可能ならば積極的に複数科目を勉強していった方が合格可能性も高めることに繋がります。

明らかに確保できる勉強時間に限りがある場合は1科目ごとの受験になってしまうのは仕方ないですが、合格を最優先で考えるのであれば科目の組み合わせ方を工夫して日々の勉強時間も可能な限り確保して前倒しで進めていきましょう。

それに受験計画に関しては1科目でゆとりがある中で勉強するより、複数科目でタイトスケジュールの中で頑張ったほうが、なんとかこなしていこうと試行錯誤もするようになるしモチベーションの維持もしやすいです。

複数科目受験は大変なのは変わりないですが、合格を目指しているのであればやらないといけない時がいずれやって来ます。

複数科目か1科目専念か迷われている方は、自身の環境で最適だと思われる選択をして1年でも早く合格を目指して勉強に取り組んでいきましょう!

それでは、また次回。

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