試験に挑戦する以上、時には残念な結果を突きつけられることもあります。
諦めない限り次のチャンスがやってきますが『過去に一通り勉強している』というアドバンテージは強みにもなる反面、弱みになってしまうこともあるので注意が必要です。
経験者という『甘え』にしがみつかない
『経験者』というと聞こえが良いかもしれません。
初挑戦の受験生と受験経験がある2年目の受験生。
後者は1年先に経験しているので当然ながら最初はアドバンテージになり得ます。
知識の蓄え、貯金があるような状態です。
どちらが先に合格しそうか予想してみると、経験者が先に合格しそうなものです。
ですが現実問題として、その逆をたくさん見てきました。
自信を持つことは大事ですが、行き過ぎた過信とならないように。
あくまでアドバンテージになるのは最初だけです。
自分は蓄えがあるからと余裕ぶっていたら、いつの間にか追い抜かれてしまっています。
しかもそれに気がつく頃は試験間際で、遅れを取り戻すには時既に遅し。
2回目以上の経験者の方はできるだけ早い段階で、前回の自分と真剣に向き合いましょう。
今の状態でダメだったのであれば、何もしなければ…
仮に不本意な結果でやむなくリスタートをすることになってしまったとします。
気持ち新たに受験勉強を再開しますが、気持ちが緩んでしまう状況が勢揃いです。
- 理論も一通り覚えたものばかり、書けてしまう
- 計算も知っているものばかり、解けてしまう
- 講義を聞いても知っていることばかり、つまらなく感じてしまう
- 最初の方の答練の成績は常に上位
これだけみると、今の状態をキープし続ければ合格できそうな気がしてしまいます。
しかしその状態は1年前の学習の成果が出ているわけで、その成果で本試験はダメだったわけです。
そのまま何も改善せずに本試験を迎えてしまうと、待っているのは同じ結果…。
アドバンテージがあることをいいことに安心材料にするのは危険。危機感を失ってはなりません。
望まない結果だったのであれば、その原因が必ずどこかにあるはずです。
- 一通り覚えた理論は覚えた「つもり」になっていないか
- 計算も抜け目なくできているか
- 理解不足のところはないか
- 自分の弱点をきちんと自分で把握しているか
- 前回の本試験では持っている力全て出し切れたか
- アウトプットに苦手意識が無いか
- 時間配分はきちんとできているのか
いかがでしょうか?何か原因があるはずです。
思い返すだけではすぐに浮かばないかもしれません。
その時は自分の勉強を今まで以上に意識して見直してみましょう。
自分の解答をより深く見てみるだけでも、気付きが出てくることもあります。
今までは問題を解いて正誤チェックをして、合ってたらそのまま。間違ってたら内容を確認する…。
「あ~また間違ったわ…」で終わらせるのではなく「なぜ間違ったんだ?」と追及していきます。
- 過去見直してみると毎回同じ論点でミスをしている
- 理論を完璧に書いたつもりでも、誤字や文章に抜けがある
- 個別問題だと解けるのに、総合問題で時間に追われると急に解けなくなる
- 毎回ケアレスミスを起こしてしまう
そのような原因を見つけ出して改善していかなくてはなりません。
決して『アドバンテージ=一通りやってるから楽できる』という思考にならないように。
今までを全て疑って課題を洗い出す
経験者は知識のアドバンテージを有効活用し、課題の改善に注力しなければいけません。
具体的な論点の克服もですが、初心に戻って試験勉強そのものとの向き合い方を考えることも時には必要かなと。
税理士試験は不合格を経験せずに全科目ストレートで合格するのは至難の業。
厳しい結果を突きつけられた時に、何を感じてどう行動するか。
私も何度も不合格を突きつけられましたが、諦めずに改善を繰り返し続けたからこそ今があります。
こんなことを書いている私ですが、まだまだ考えが甘かった時期がありました。
「経験者だから」という根拠のない自信に甘えてた頃がありました。
当時は甘えていた自覚はありませんでした。が思い返すと完全な甘えだったなと。
失敗を追求して反省もせず、前年と同じように惰性で復習を繰り返すような勉強方法でした。
それだけで次は受かるだろうと。
そうするとどうだったでしょう。
初学者である後輩が先に合格して私が不合格という現実を突きつけられました。
その時は何が何だかわかりませんでした。
挙げ句の果てに「試験は水物だから…」と試験の結果に言い訳してしまいました。
励ます気持ちで周りから言ってあげるのはまだしも、言い訳に使ってしまった自分を今でも恥ずかしく思います。
問題に相性は多少あるにしても、あまりにも対策不足でした。
自分がそのような経験をしてきて感じるのは経験者は本当にゼロからリスタートするつもりで、むしろ追い込まれたくらいの一層の覚悟が必要となります。
嫌なほど痛感したので。
何か思い当たることがあれば、今すぐ行動しましょう。
それが合格への1歩となります。
それでは、また次回。
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