ずっとTAC一筋だった私が、最後の年(相続税法)だけ複数の専門校を受講しました。
良かった部分もある一方、気を付けないといけないなと感じる部分もありました。
1年目(初学)はあまりおすすめできない
1年目(初学)は余程明確な理由がない限り、複数受講することはおすすめはできないなと感じました。
1つだけでも十分すぎるコンテンツが用意されています。
- テキスト
- トレーニング(問題集)
- 理論マスター(理論集)
- 講義
- 答案練習
全て消化させるだけでもかなりの時間を要します(消化させるのが目的になってはいけませんが)
各学校どれもしっかり作り込まれていて、合格十分だけのノウハウが集約されているので当然です。
しかも1年目は見るもの全てが初めての経験。新鮮なものばかり。
余裕も無く、変に慣れからくるモチベーションダウンの心配もほとんど無いでしょう。
その状態で、教材を増やしすぎる(手を広げすぎる)のも良くありません。
「あって損することはないだろう」という気持ちから、あれもこれも手を出してしまいそうになりますが、おすすめはしません。
目の前に手がつけられていない教材が積み重なっていると精神的にどうでしょうか。
「溜まった教材を見るだけでやる気が満ち溢れてくる」という人は別ですが、私は見るだけでも気が焦ってしまってストレスも溜まるし、やるべきことに集中できなくなってしまいます。
しまいには多すぎて何をするべきかもわからない状況になってしまうと危険です。
やる気の気持ちだけが先行している最初の方って意外と気が付かないものです。
自分が勉強に投下できる時間。勉強の進捗。仕上がりの状況。どれもその時になってみないとわかりません。
「これだけの教材で大丈夫かな?」と思うぐらいで最初はちょうど良いです。
なかなか思ったように進まない手探りの時間が多くなってしまう1年目は、目の前の『これだけの教材』に全力で取り組むことが合格への近道です。
問題慣れの防止にはなる
複数の学校に受講してみて。期間は最後の1年だけでしたが良かったと感じたこと、それは新鮮味があることです。
私は最後の相続税法の科目以外TAC1本で乗り越えてきました。
最後の相続税法は想定以上に時間がかかってしまい、なかなか合格することができずに頓挫していました。
毎日触れる問題も見慣れるし、解き慣れてしまいます。
次第にモチベーションが下がってしまいました。
勉強に取り組む熱意はあるのだけれど、何か足りない。そんな状況でした。
他の学校の教材に触れてみると、かなり新鮮味がありました。
別の学校が作成した教材なので当然のことではあるのですが、文章の書き方、問題の問われ方、解答の書き方など、今までに無い刺激を受けて毎日の勉強に身が入るようになりました。
日が経つにつれ「何か足りない」と感じていた部分は、その『刺激』だったのかもしれません。
日を積み重ねれば知識や経験も積み重なってきますが、その反面、変化が無いとモチベーションが下がってしまいます。
そういった気持ち面でメリットがあるなと感じました。
特定論点だけ集中的に対策するのにも有効
特定の部分だけを集中的に学習するために他の専門校を使ってみるのも有効だなと感じました。
高い受講料をさらに追加で支払うのであれば、しっかり使い倒したい気持ちも確かにありますが、一つの作戦として。
本当に美味しいところ(目的の部分)だけをつまみ食いするような感じです。
メインで受講している専門校では講義から答練まで一貫して受講して、苦手な部分だけはさらに集中的に別の専門校の教材で対策します。
今まで苦手にしていた部分は何かしらの原因があるはずです。
それが違った視点や言い回し、説明から何か気付くことがあるかもしれません。
私自身も複数の学校を受講して、全て満遍なくこなしたわけではありません。
仕事もしてましたし、全部やろうとしてしまうと消化不良になることは目に見えていましたので。
あくまでメインはTAC。そこで全体的な対策は行います。
その中でどうにも苦手な論点を上乗せで他の学校の教材を使って対策をしました。
解説を聞いて、今までモヤモヤしていた部分がそれでスッキリ理解できた論点もありました。
別の学校の方が良かったというより、複数の教材を使ってよりたくさん問題を解き込むことができたのが要因でしょう。
しかしその解き込める環境を作るきっかけが複数の受講になったことは間違いありません。
何でも増やせば良いってものでもなくて、メインがしっかり消化しきれていることが前提です。
この試験は範囲が膨大な故に、本試験の時間もそうですが日々の勉強も時間との勝負です。
「やらなきゃいけないのかな…?」と不安からくるものでしたら、とりあえずは手を広げることは考えず、今ある目の前の事をひたすらやるので十分です。
「やってみたい!」と思ったら積極的に取り入れてみても良いでしょう。
自分の状況に照らし合わせながら、参考にしてみてください。
それでは、また次回。
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