何を基準に科目選択をするか【税理士試験】

前回、税理士試験の勉強を複数科目選択するか1科目に専念するかを記事にしました。

複数科目受験すべきか、1科目に専念すべきか【税理士試験】

税理士試験は科目合格制であり、選択必須科目もありますがそれ以外は自分で選択して受験することとなります。

何を基準に受験科目を選択するのかで受験計画はもちろんのこと、合格後の仕事の幅にも影響を与えるものなのでしっかり検討する必要があります。

基準は言い換えると「何を優先するか」ということです。これに関しては自分が思い描いている税理士像や受験勉強をする環境でも人それぞれ変わってきますので、全員共通して当てはまる最適解はありません。

今回は科目選択に迷われている方へ、自分にとって最適な科目選択をしていただけるように、いくつか科目選択の考え方をまとめていきたいと思います。

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目次

学習範囲が少ない科目を選択することで学習時間を抑えることを優先する

税理士試験は全11科目ありますが、以下のように目安の勉強時間がそれぞれ異なります。

科目目安勉強時間(理論暗記除く
簿記論450h
財務諸表論450h
法人税法600h
所得税法600h
相続税法450h
消費税法300h
酒税法150h
国税徴収法150h
住民税200h
事業税200h
固定資産税250h
出典 TAC

選択必須科目(簿記論、財務諸表論、法人税法or所得税法)は必ず合格する必要があるので、それ以外の2科目を学習時間が抑えられる科目を選択するという考え方です。

上の表の目安勉強時間だけを見ると「国税徴収法」や「酒税法」は150時間となっています。

注意しておいてほしいことは理論暗記の時間はこの時間には含まれていません。

理論暗記を除いて、講義の時間や学習する範囲が比較的狭いということを意味します。

時間を優先する科目選択はフルタイムで仕事をしている中で税理士試験に挑まないといけない状況の方にとって一つの選択肢になるのではないかと思います。

しかし勘違いしてはいけないのが「学習範囲が少ない=合格しやすい」というわけではありません。

税理士試験は競争試験です。どの科目も合格率は上位10%前後で推移しているので、学習範囲が少ないということは、多くの受験生が高い精度で仕上げて本試験に臨んできます。

その中で上位10%前後に入り込む必要があるので、熾烈な競争になるのはどの科目でも同じです。

興味関心がある科目を優先して選択する

興味関心があるものとないものでは勉強に取り組む際のモチベーションが違ってきます。

例えば、

「買い物をした時に消費税を払っているけれどお店に払っているだけで自分自身では納税してないな」

「どういう仕組みで納税されているのだろう」

「もっと消費税の仕組みを理解したい」

こういった漠然とした興味関心でも一つのきっかけとなり勉強することで、消費税のことを深く知ることとなります。そしてその学んだ知識を活用して合格後は税理士として活躍することに繋がります。

興味関心があるものは知識の吸収も早いので、科目選択する際にも興味がある科目を積極的に選択して学習するというのも一つ方法です。

なりたい税理士像を優先して選択する

試験勉強を始める段階でなりたい税理士像が明確に決まっている人は少ないと思いますが、そのようなビジョンがある人はそれを叶えるために必要な科目を選択していきましょう。

例えば「相続案件に強い税理士になる!」であれば相続税法の学習はしておくべきでしょうし、「法人税に詳しい税理士として活躍したい!」であれば法人税法を学習することで強みになるでしょう。

最初に「なりたい税理士像」を漠然とでも考えてみることで、科目選択の方向性を決めていくのも一つ方法です。

実務で必要な知識を優先して選択する

税理士事務所で実務経験を積みながら勉強するという人は実務と学習との相乗効果を狙って、仕事でよく使う税目を科目選択するというのも一つ方法です。

担当顧問先に法人(会社)があるのであれば「法人税法」「消費税法」、個人事業主であれば「所得税法」「消費税法」が大きく関わってきます。相続を担当するのであれば「相続税法」の知識が必要となります。

仕事で経験していることを勉強することで、勉強の理解が深まりますし、仕事の質も充実します。

ちなみに私自身は相続に強い税理士になりたいという税理士像を描いていましたが、どちらかというと全体的な選択科目の構成としては実務で重要な科目を優先するという基準で選択していきました。

結果的に相続にも携わることも多くあり相続税法も選択するということとなったので、理想通りの科目選択にはなったかなと思っています。

しっかり検討して後悔の無い科目選択をしよう

選択した科目は少なくとも約1年近くの時間と受験費用を投下して取り組むこととなります。

なんとなくで決めたり周りに合わせたりするような決め方ではなく、自分の考えをしっかり反映して後悔の無い科目選択をするようにしましょう。

納得いく科目選択ができたらあとはひたすら合格を目指して勉強するのみです!

この記事を読んでくれた人へ、科目選択の悩みを解決する一助になりましたら嬉しいです。

それでは、また次回。

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