会計入力業務を社内で自計化するか、税理士事務所へ入力代行(アウトソース)するか

今は4月下旬。季節変わりのせいか、暑い日があったり寒い日があったりで日々の気温差が激しく体調管理が難しい今日この頃…。まだ部屋着は冬仕様のmashです。

今日は社内の会計処理業務を自計化するか否かについて、考えていければと思います。

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目次

自計化とは

「自計化」という言葉は聞いたことありますか?

これは事業活動によって生じる取引(商品を仕入れた、販売した等)を自社で会計ソフトに入力していくことです。言い換えると「簿記を自社でする」ということとなります。

簿記の最終目的は財務諸表を作成することです。その財務諸表を作成するために日々の取引を一定のルールに従って帳簿に記入することを簿記と言います。帳簿に記入するという行為が今は会計ソフトに入力するのが主流となっています。

過去に簿記の一連の流れを説明した記事を公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

会計と簿記の違い

自計化するか、税理士事務所へ入力代行(アウトソース)するか

自計化は自社で会計ソフトを用いて日々の取引を入力していくことだとわかっていただけたと思います。

では実際に社内で自計化をするか、税理士事務所へ入力代行をするか選択する必要があります。

自社で自計化した場合

自社で自計化をする場合は、会計ソフトを導入して、自社で取引を入力するという流れになります。

具体的にすると、取引は証憑(請求書や領収書)で確認することができますので、その証憑を見ながら会計ソフトに仕訳を入力していく作業となります。

証憑を見て取引を確認したら、会計ソフトには仕訳で入力する必要がありますので、そこは簿記の専門的な知識が多少なりとも必要になってきます。

以上のことから、自計化を進めていくためには社内で以下の2点が必要になってきます。

  1. 会計ソフトの導入
  2. 証憑を管理して会計ソフトに入力する人

最近はクラウド会計ソフトも普及し、言葉としても良く聞くようになってきました。このクラウド会計はどういうコンセプトかというと、簡単な仕訳はAIに任せて自動で仕訳させ、従前まで当たり前のようにしていた会計ソフトの入力業務の負担を少なくしていこうというものです。簿記の知識がなくても使えるということも魅力の一つとして言われています。

これだけ聞くとクラウド会計を導入したら仕訳はAIが勝手にやってくれるし、簿記の知識が必要でなかったらわざわざそのために雇用する必要もなく、良いことづくめと思うかもしれません。

しかし、運用ルールをあらかじめ確立していないと、せっかく導入しても良さを発揮できずに終わってしまう恐れもありますので注意が必要です。

税理士事務所へ入力代行した場合

こちらは自社では会計ソフトは導入せずに税理士事務所で入力業務を依頼することとなります。いわゆる「丸投げ」と言われるものです。

その場合は証憑などの資料をまとめて税理士事務所側に預ける必要が出てきます。言わずもがな預かってから税理士事務所側で入力業務をするので時間がかかります。あと、税理士事務所側も証憑を見ても取引内容が分かりにくいものがあった場合は会社へ確認の連絡をする必要が出てくるので、その問合せ対応など、自計化とはまた違った対応が必要となってきます。

自計化することのメリット

それでは自計化することでどのようなメリットがあるか、まとめていきたいと思います。

1.早期に経営実績が視えるので、それを基に経営判断ができる。

会社を経営している以上、利益を追求します。そのために経営者は出来るだけ早く先月ないし直近までの結果を数字で確認したいというのは当然のことです。税理士事務所に入力代行を依頼していると数字がまとまるのがどうしても遅くなってしまうので自計化をしているというところもあると思います。

実際自計化をしているところは、担当者が会計ソフトにその都度入力していきますので早いところは月初あたりで、先月分の入力が終わっている状態になっています。そのデータをすぐに税理士事務所に送って、税理士事務所側で入力のチェックをして月次の報告書を作成します。早ければデータを送って数日後には月次の報告書が完成するまで行けますので、経営者は新鮮な数字を確認することができます。

これが税理士事務所側で入力代行となると月初に先月分の資料を預かって入力して、チェックして報告書を作成するという流れになります。必然的に経営者にその数字が届くまでに時間を要するので、その分経営判断にも遅れが生じてしまう可能性があります。

経営判断をする時に新鮮な今の会社の業績が頭に入っていると自信を持って判断することができるでしょうし、逆に分かっていないと不安でなかなか決断がし難いと思います。

税理士事務所と協力して、より速く正確に

自計化をしていると社内で会計データを入力しますので、単発のような取引が出てきたとしても適切に迅速に会計データに反映することができます。もちろん税理士事務所も簿記会計のプロなので適切なのはもちろんですが、やはり証憑から読み取れないことは多々出てきます。そうなってくると必然的に問い合わせの連絡をして認識の違いが無いように一つ一つ解決しながら会計データに反映する必要が出てくるので、時間がかかってしまいます。

自社のことは自社が1番よくわかっているので社内で会計データ入力まで完結できるということは、迅速性と正確性がバランス良く取れる運用です。

かといって「自計化=会計データ入力まで税理士事務所に頼らない」というわけではありません。

社内で分からない会計処理がある場合は、その都度税理士事務所に確認して取扱や仕訳例も教えてもらうことで解決していきます。こうすることで悩む時間も少なくでき、スムーズに会計データ入力を進めることができます。

税理士事務所側もまとめて聞かれるより、その都度聞かれた方が集中して解決できるので、その方が助かります。「こんなことで聞くのは申し訳ない」と思わず、どんどん聞いて解決していきましょう!

税理士事務所を上手く活用することが、自計化をスムーズに運用するコツの一つです。

自計化の注意点

上記のようなメリットを享受するため、自計化を考えている会社も多いと思います。

しかし、現状で自計化が難しい状況の場合(開業当初でなかなか他に手が回せないなど)は無理に自計化を進めようとしても上手く運用できないことが考えられるので、その時は入力代行を依頼した方が良いケースもあります。自計化にとらわれすぎて本業に支障が出てくると本末転倒なので、目的をしっかり理解した上で自計化をするのか、入力代行を依頼するのか慎重に判断をしましょう。

目的を確立して運用方法を決めよう

「税理士事務所側に言われるがまま会計ソフトを導入し、何となく自計化を始めたけれど大変で上手く運用ができない…」

「何となく自計化は大変そうだから入力代行してもらっているけれど、もっと速く業績を把握したい…」

このような悩みにならないように、まず自社の目的をしっかり確立することが大切です

「会社を規模拡大していきたい!そのためには早期の経営判断が必要だから、速く業績が分かるような体制を整えよう!」

「今はコスト面からも人員の数からしても自計化すると本業に支障が出るかもしれない…。まずは本業を安定させてから、徐々に自計化を進めていこう!」

このように、会社としての目的があればその目的を実現するために経理業務を自計化するか入力代行をするか選択する考え方も変わってくるかと思います。

「自計化をしているけれど、この部分は処理に時間がかかるから税理士事務所にお願いできるか依頼をしよう!」

「入力代行でもできるだけ速く数字が分かるように資料整理を効率化するところから始めよう!」

自計化、入力代行の型にはまった2パターンではなく、税理士事務所と協力することで会社によって柔軟に運用方法を変えていくことも一つの方法でしょう。

会社の経理業務の運用に悩んでいる方へ少しでも参考になりましたら幸いです。

それでは、また次回

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